●抗凝固薬
・静脈内血栓(フィブリンを中心とする血液凝固系の反応が中心で血栓が形成される)に対し投与される。
・心房細動、心原性脳塞栓、下肢深部静脈血栓症、肺梗塞
・ワーファリン、ヘパリン
・ワーファリンの効果は可逆的であり、休薬は3-5日必要である。
●抗血小板薬
・動脈血栓(内皮細胞の傷害に続いて血小板が内皮下組織に粘着し活性化されて血小板の凝集が起こる。)に対し投与される。
・心筋梗塞、ラクナ梗塞
・バイアスピリン、パナルジン、プレタール、アンプラーグ、ドルナー、プロサイリン
・ラクナ梗塞に対して有効であるというエビデンスがあるのはプレタールのみ。脳梗塞の病状によっては、バイアスピリンの併用を行うこともある。
・閉塞性動脈硬化症(ASO)に対し、バイアスピリンよりも、血管拡張作用を併せ持つプレタール、プロサイリン、ドルナーが有効。
・パナルジンやバイアスピリン、エパデールは効果が不可逆的であり効果がなくなるためには血小板の入れ替わりが必要である。従って出血の可能性のある処置に先立って7-10日の休薬が必要である。
・プレタールやアンプラーグ、ドルナーの効果は可逆的であり、休薬は2、3日でよい。
・バイアスピリン:
古くから使われている。アスピリンジレンマのため低用量で使う。心筋梗塞やステント留置ではバイアスピリン単独ではなくプラビックスを併用する。
・プラビックス:
パナルジンの改良薬。パナルジンより副作用が少なく効果は同等以上。今後パナルジンはあまり使用されなくなり、代わってプラビックスの処方が多くなっていくと思われる。血小板の働きを抑制する。
・パナルジン:
肝障害、血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症などの副作用が問題になることがある。これらの副作用はまれではあるが、重症化することがある。
・プレタール:
血小板抑制作用に加えて血管拡張作用がある。ラクナ梗塞に対してエビデンスがあるのはこの薬剤のみ。また、閉塞性動脈硬化症(ASO)の特効薬でもある(プロサイリン、ドルナーもASOの特効薬)。頭重と、動悸の副作用が高頻度に出現するので、副作用を軽減するために少量から漸増していく。脈拍数増加、狭心症発現の副作用があるので、心不全、狭心症に注意する。
・エパデール:
魚油成分のEPA製剤であり、抗血小板作用にくわえ、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす作用があるため、高脂血症を合併する症例に処方されることが多い。作用は弱いが、副作用がほとんどない。
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●休薬のリスク
脳梗塞または一過性脳虚血発作の既往があり、アスピリンを服用していた患者が、アスピリンを4週間位中断した場合に脳梗塞あるいは一過性脳虚血発作をきたすオッズ比は3.29(95%信頼区間1.07~9.80、P<0.005)とする報告がある。とくに虚血性心疾患も合併している患者で、アスピリン中断後の脳梗塞あるいは一過性脳虚血発作の再発が多く見られた。血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、脱水の回避、輸液、ヘパリンの投与などを考慮する。
●休薬期間
薬名 休薬開始時期 作用持続時間
・アスピリン(バファリン、バイアスピリン) 7日前(低危険手技時は3日前) 7~10日
・クロピドグレル硫酸塩(プラビックス) 14日前 10~14日
・チクロピジン塩酸塩(パナルジン) 10~14日前(低危険手技時は5日前) 10~14日
・シロスタゾール(プレタール) 3日前 48時間
・イコサペント酸エチル(エパデール) 7日前 7~10日
・ジピリダモール(ペルサンチン) 1~2日前 不明
・サルポグレラート塩酸塩(アンプラーグ) 1日前 4~6時間
・ベラプロストナトリウム(ドルナー、プロサイリン)1日前 6時間
・リマプロストアルファデクス(オパルモン、プロレナール) 1日前 3時間
・ワルファリンカリウム(ワーファリン) 3~5日前 48~72時間
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