周期性四肢麻痺

●概念

発作性に四肢の筋力低下が起こり、それが数時間ないし数日持続し、自然に回復する。発作は夜中から朝方に多い。そういった筋力低下のエピソードを繰り返す。

甲状腺機能亢進症、原発性アルドステロン症、薬剤性、胃腸炎などによる低カリウム性二次性周期性四肢麻痺が多いが、遺伝性の一次性もある。

●分類

二次性周期性四肢麻痺

低カリウム性周期性四肢麻痺:

甲状腺機能亢進症

嘔吐や下痢

利尿薬

薬剤(グリチロン酸や芍薬甘草湯などのグリチルリチンを含むもの)

原発性アルドステロン症

高カリウム性周期性四肢麻痺:

副腎皮質機能低下症

薬剤(スピロノラクトンなど)

腎不全

カリウムの過剰投与

一次性(遺伝性)周期性四肢麻痺

低カリウム性周期性四肢麻痺:

Caチャネルの異常とされる。20代男性の発症が多い。

正カリウム性周期性四肢麻痺:

家族性のみ。10歳以下で発症。

高カリウム性周期性四肢麻痺:

大部分は家族性。10歳以下で発症。Naチャネルα-サブユニットに遺伝子変異がある。

●症状

急性発症の四肢の脱力
深部腱反射低下
呼吸筋麻痺はほとんどない

●検査

血液検査:

血清K(低K:0.9~3.0mEq/L、高K:5.0mEq/L以上)

TSH、FT4、FT3(甲状腺機能亢進の有無を必ずチェックする)

CK(軽度上昇することが多い)

尿検査:

蓄尿、尿量、尿中KとNa量測定

心電図:

不整脈の有無をチェック

針筋電図:

発作中は運動単位電位の減少

末梢神経伝導速度検査:

GBSなどの末梢神経疾患との鑑別。発作中はCMAPの振幅が低下する。

誘発試験

●誘因

共通する誘発因子:

運動後の休息、寒冷、ストレスなど

低K性:

炭水化物の過食(インスリンの分泌によるKの細胞内への移動)、アルコール、疲労

●治療

血清K値を是正する。

・低カリウム性周期性四肢麻痺:

K製剤(アスパラK散、グルコン酸カリウム)内服
甲状腺機能亢進症合併ではβ遮断薬(プロプラノロール)を併用する

処方例)
1)アルダクトンA(50mg) 1-2錠 分1-2 経口
2)さらに経口カリウム製剤を併用することもある。
スローケー(600mg) 3-6錠 分1-2経口

・高カリウム性周期性四肢麻痺:

Ca剤投与(アスパラCA内服、カルチコール静注)
炭水化物食やブドウ糖経口摂取
β2刺激薬(サルブタモール)吸入
糖質コルチコイド、ループ利尿薬の点滴静注

処方例)
1)フルイトラン(2mg) 1-3錠 分1-3 経口
2)ダイクロトライド(25mg)1錠 分1 毎日あるいは隔日  効果をみながら2-3錠 分2-3まで増量する

・一次性周期性四肢麻痺の非発作時

炭酸脱水素酵素阻害薬アセタゾールアミドの予防内服を行う。
ダイアモックス(250mg)1-3錠 分1-3 経口
アセタゾールアミドが無効な場合、副作用で使えなくなった場合や長期使用で効果が減弱した場合は他の薬剤が使われる。


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