●WHO疼痛ラダー
①非オピオイド鎮痛剤(NSAIDS、アセトアミノフェン)
±鎮痛補助剤
②弱オピオイド鎮痛剤(リン酸コデイン、オキシコドン)
+非オピオイド鎮痛剤(NSAIDS、アセトアミノフェン)
±鎮痛補助剤
③強オピオイド鎮痛剤(オキシコドン、モルヒネ、フェンタニル)
±非オピオイド鎮痛剤(NSAIDS、アセトアミノフェン)
±鎮痛補助剤
●NSAIDS
・ロキソニン 60mg 3T 分3
・セレコックス 100mg 2T 分2(胃十二指腸潰瘍少ない)
・ハイペン 200mg 2T 分2(胃十二指腸潰瘍少ない)
・ボルタレンSR 2C 分2(強い疼痛に有効)
・ナイキサン 100mg 3T 分3(腫瘍熱にも有効)
・カロナール 200mg 6T 分3(腎不全のあるとき)
・ボルタレン座薬 50mg 3T 分3
・ロピオン50mg1A+生食50ml 3回
PPIまたはサイトテックを併用する。
・タケプロンOD 30mg 分1
・オメプラール 20mg 分1
・オメプラール20mg1A+生食50ml 2回
●リン酸コデイン(10倍散)
60mgから開始する。
・リン酸コデイン 60mg(0.6g) 分3
→リン酸コデイン 90mg(0.9g) 分3
→リン酸コデイン 120mg(1.2g) 分4 6時、12時、18時、24時
→リン酸コデイン 180mg(1.8g) 分5 8時、12時、16時、20時、24時(60mg)
レスキューとして、リン酸コデイン 20mg/回 1時間間隔で1日何回でも可
NSAIDS、制吐剤、下剤も併用する。
●オピオイド
腎機能、消化管出血が許容できるかぎり、NSAIDSはオピオイドと併用する。特に、膿瘍・骨転移など炎症性疼痛の場合は、オピオイドより有効な場合が多い。
オキシコドンから開始する。少量投与できるため、第二段階から使える。副作用はモルヒネより少ない。
咳嗽・呼吸困難あるときはモルヒネから開始。
便秘・イレウスのあるときはフェンタニルから開始。
呼吸抑制は生命にかかわることはほとんどなく、覚醒時10回/分・睡眠時6回/分以上あれば問題ない。明らかな過量投与の場合は拮抗剤のナロキソンを投与する。ナロキソンは効き目がモルヒネ徐放剤より早く切れるので、ナロキソン1A(0.2mg/1ml)を10倍希釈して1mlずつ静注し、呼吸回数が10回/分より多くなるまで継続し、1日2回の徐放剤で12時間、1回の徐放剤で24 時間、デュロテップMTでは17時間以上継続して観察し、呼吸10回/分を保つ。
経口モルヒネ60mg:経口オキシコドン40mg:デュロテップMTパッチ4.2mg
内服1:坐薬2/3:皮下注・静注1/2~1/3
経口モルヒネ60mg:アンペック座薬40mg:モルヒネ注30mg
デュロテップMTパッチ4.2mg:フェンタニル注0.6mg
●オピオイドローテーション(オピオイドの変更)
不十分な除痛、あるいはコントロールができない副作用(便秘、嘔気・嘔吐、眠気と錯乱、呼吸抑制、痒みなど)が生じた場合、鎮痛補助薬を加えることによりオピオイドの投与量を減じるか、あるいは副作用に対して薬物投与などの対症療法を施行する。それでも副作用のコントロールが不十分なときオピオイドローテンションを考慮する。
オピオイドローテーションの必要性は40%前後の患者に生じ、その理由の内訳は認知障害39%、幻覚症24%、疼痛コントロール不良16%、ミオクローヌス11%、嘔気9%、であり、その効果は70%の患者で得られたとする海外報告がある。
オピオイドの投与を開始する際、オキシコドンで開始し、注射剤が必要な時にモルヒネに変更する、腎不全患者でモルヒネによるせん妄、呼吸抑制が出たらフェンタニルに変更する、あるいは経口摂取が困難な患者にフェンタニルパッチを使用するといった選択肢は考えられる。
オピオイドの切り替えは、退薬症候を防ぐために2~3日かけて行う。換算比は個人差が大きいため、やや少な目に切り替えて増量することが基本である。薬が足りないときは痛みが残り、薬が適量のときは眠気がでることを念頭に、痛みと眠気を評価しながら量の調整をはかる。
・経口モルヒネ→フェンタニル貼付剤
経口摂取不能、消化管に通過障害がある、使用モルヒネ量が多くなった、副作用のためモルヒネ使用が困難
・モルヒネ→オキシコドン
疼痛制御ができない、モルヒネに対する反応性が低下した、腎機能障害、モルヒネで嘔気・嘔吐が強い、モルヒネでせん妄が出現、モルヒネで痒みがコントロールできない、高熱が持続する、神経障害性疼痛が疼痛の一部となっている
・フェンタニル→モルヒネ
呼吸困難感、疼痛制御ができない
●オキシコドン
・徐放性内服薬
オキシコンチン(R)錠 5/10/20/40mg 10~20mg/日で開始 1日2回
・即効性内服薬
オキノーム散 2.5/5mg
・注射薬
オキシコドン注
・処方例
オキシコンチン 10mg 分2 12時間毎
オキノーム 2.5mg 頓用(1日投与量の1/4~1/8) 1時間空けて反復可 1日4~6回まで
レスキュードーズが1日2回以上必要であったときは定時投与されているオキシコンチン錠の増量を考慮。レスキュードーズで使用したオキノーム散の全量をオキシコンチン錠に加えていく方法、オキシコンチン錠を段階的に3割ずつ増量していく方法などがある。
→20mg→30mg→40mg→60mg→80mg
・オプソをレスキュードーズとして投与する場合
オキシコンチン錠の投与量を1.5倍にし、モルヒネ換算での持続痛に対して使用している1日投与量を計算し、その1/6の量のオプソを投与。
・換算
オキシコンチン10mg:オキノーム2.5mg:リン酸コデイン90mg
オキシコンチン15mg:オキノーム2.5mg:モルヒネ20mg:オプソ5mg
オキシコンチン20mg:オキノーム2.5mg:モルヒネ30mg:オプソ5mg:デュロテップMTパッチ2.1mg
オキシコンチン30mg:オキノーム5mg:モルヒネ40mg:オプソ5mg
オキシコンチン40mg:オキノーム5mg:モルヒネ60mg:オプソ10mg:アンペック10mg:デュロテップMTパッチ4.2mg
オキシコンチン60mg:オキノーム10mg:モルヒネ90mg:オプソ15mg:アンペック10mg
オキシコンチン80mg:オキノーム15mg:モルヒネ120mg:オプソ20mg:アンペック10mg:デュロテップMTパッチ8.4mg
オキシコンチン120mg:オキノーム20mg:モルヒネ180mg:オプソ30mg:アンペック20mg:デュロテップMTパッチ16.8mg
オキシコンチン160mg:オキノーム30mg:モルヒネ240mg:オプソ40mg:アンペック20mg:デュロテップMTパッチ25.2mg
●モルヒネ
・徐放性内服薬
MSコンチン(R)錠 10mg/30mg/60mg 20mg/日で開始 1日2回
カディアン(R)カプセル 20/30/60mg 20mg/日で開始 1日1回
ガディアン(R)スティック 30/60/120mg 20mg/日で開始 1日1回
モルペス(R)細粒 10/30mg 20mg/日で開始 1日2回
MSツワイスロン(R)カプセル 10/30/60mg 20mg/日で開始 1日2回
ピーガード(R)錠 20/30/60/120mg 20mg/日で開始 1日1回
パシーフ(R)カプセル 20/60/120mg 30mg/日で開始 1日1回
・即効性内服薬
オプソ内服液 5/10mg
塩酸モルヒネ散
アンペック(R)坐剤 10/20/30mg 20mg/日で開始 1日2~4回
・注射薬
塩酸モルヒネ注
アンペック注
・処方例
モルヒネの効果は4~6時間。
モルヒネ30~40mgから開始し、50%ずつ増量していく。
モルヒネ 40mg 分4 6時、12時、18時、24時
→モルヒネ 60mg 分4 6時、10時、14時、18時、24時(20mg)
→モルヒネ 90mg 分4
200mg以内にコントロールできることが7割。
経口投与で1日1000mg、静脈投与で1日1200mgまで投与可能。
咳嗽、呼吸困難感にも有効。
モルヒネ増量しても疼痛改善しない場合は骨転移や神経因性疼痛を考える。
レスキューとしてオプソ、アンペックを1日投与量の1/4~1/8投与する。レスキューの分、または30~50%、1日モルヒネ量を増量する。
持続注入では経口モルヒネ量の1/3に相当する。レスキューとして1時間分を早送りする。効果がなく呼吸数10回/分、嘔気・眠気がなければ1.5~2時間分を早送りしてよい。
・オキノーム散をレスキュードーズとして投与する場合
モルヒネ1日投与量を2/3倍に換算した1日投与量の1/4~1/8のオキノーム散を投与する。
・換算
リン酸コデイン120mg:モルヒネ20mgであり、1.5~2倍量から開始する。
リン酸コデイン120mg→モルヒネ30mg
オキシコンチン15mg:オキノーム2.5mg:モルヒネ20mg:オプソ5mg
オキシコンチン20mg:オキノーム2.5mg:モルヒネ30mg:オプソ5mg:デュロテップMTパッチ2.1mg
オキシコンチン30mg:オキノーム5mg:モルヒネ40mg:オプソ5mg
オキシコンチン40mg:オキノーム5mg:モルヒネ60mg:オプソ10mg:アンペック10mg:デュロテップMTパッチ4.2mg
オキシコンチン60mg:オキノーム10mg:モルヒネ90mg:オプソ15mg:アンペック10mg
オキシコンチン80mg:オキノーム15mg:モルヒネ120mg:オプソ20mg:アンペック10mg:デュロテップMTパッチ8.4mg
オキシコンチン120mg:オキノーム20mg:モルヒネ180mg:オプソ30mg:アンペック20mg:デュロテップMTパッチ16.8mg
オキシコンチン160mg:オキノーム30mg:モルヒネ240mg:オプソ40mg:アンペック20mg:デュロテップMTパッチ25.2mg
経口モルヒネ60mg:モルヒネ注30mg
経口モルヒネ240mg:モルヒネ注120mg
●フェンタニル
・貼付剤
デュロテップMTパッチ 2.4/4.2/8.4/12.8mg 3日毎
・注射薬
フェンタニル注
・処方例
超徐放剤であり、72時間有効。
デュロテップMTパッチ8.4mgのとき、モルヒネ120×1/6=オプソ20mgから開始。
注射剤では1/12量から開始。
・オキノーム散をレスキュードーズとして投与する場合
デュロテップMTパッチの1日投与量をモルヒネ換算し、さらにオキシコンチンの1日投与量に換算する(×2/3倍)。その1/4~1/8がオキノーム散の1回量となる。
・換算
オキシコンチン10mg:オキノーム2.5mg:リン酸コデイン90mg
オキシコンチン15mg:オキノーム2.5mg:モルヒネ20mg:オプソ5mg
オキシコンチン20mg:オキノーム2.5mg:モルヒネ30mg:オプソ5mg:デュロテップMTパッチ2.1mg
オキシコンチン30mg:オキノーム5mg:モルヒネ40mg:オプソ5mg
オキシコンチン40mg:オキノーム5mg:モルヒネ60mg:オプソ10mg:アンペック10mg:デュロテップMTパッチ4.2mg
オキシコンチン60mg:オキノーム10mg:モルヒネ90mg:オプソ15mg:アンペック10mg
オキシコンチン80mg:オキノーム15mg:モルヒネ120mg:オプソ20mg:アンペック10mg:デュロテップMTパッチ8.4mg
オキシコンチン120mg:オキノーム20mg:モルヒネ180mg:オプソ30mg:アンペック20mg:デュロテップMTパッチ16.8mg
オキシコンチン160mg:オキノーム30mg:モルヒネ240mg:オプソ40mg:アンペック20mg:デュロテップMTパッチ25.2mg
経口モルヒネ60mg:デュロテップMTパッチ4.2mg:フェンタニル注0.6mg
経口モルヒネ240mg:デュロテップMTパッチ16.8mg:フェンタニル注2.4mg
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