縦隔腫瘍

●分類
・上縦隔:甲状腺腫、神経原性腫瘍、リンパ性腫瘍(悪性リンパ腫、キャッスルマン病)、心膜嚢胞
・前縦隔:胸腺腫瘍(胸腺腫、胸腺癌、胸腺カルチノイド)、胸腺嚢胞、胚細胞性腫瘍(成熟奇形腫、未熟奇形腫、セミノーマ、胎児性癌、卵黄嚢癌、縦毛癌)、リンパ性腫瘍、甲状腺腫
・中縦隔:気管支嚢胞、心膜嚢胞、リンパ節腫大(サルコイドーシス)、リンパ性腫瘍
・後縦隔:神経原性腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、神経節細胞腫)、気管支嚢胞、食道嚢胞
多いのは胸腺腫、先天性嚢胞、神経原性腫瘍、縦隔原発胚細胞性腫瘍、リンパ性腫瘍など。
●症状
多くは無症状
胸痛、圧迫感
咳嗽、喘鳴、呼吸困難、肺炎による発熱などの呼吸器症状
上大静脈の圧迫による症状(上大静脈症候群):上半身のチアノーゼ、浮腫、呼吸困難、頭痛
末梢神経の圧迫による症状:嗄声、むせ込み、呼吸困難、しゃっくり、眼瞼下垂、発汗
脊髄の圧迫による症状:手足の麻痺や感覚の異常
食道の圧迫による症状:食物が胸につかえる
縦隔腫瘍では合併疾患による全身症状をきたすことがある。胸腺腫の合併症として重症筋無力症は最も頻度が高く、胸腺腫の20%前後に認められる。赤芽球癆は胸腺腫の1~2%に合併するとされる。低ガンマグロブリン血症の合併も稀に認める。
●検査
胸部XP
胸部CT
腫瘍マーカー(AFP、β-HCG、CEA、CA19-9)
Gaシンチ
PET
MRI
嚢腫か腫瘍か、良性か悪性のおおよその鑑別を行う。
悪性腫瘍が疑われ、手術で完全に切除するのが困難と考えられる場合には、針生検を行う。
胸腺腫においては重症筋無力症を合併することがあるため、血清抗アセチルコリンレセプター抗体価、筋電図、テンシロンテストなどを行う。
悪性胚細胞性腫瘍のうちセミノーマ以外ではAFPまたはβ-HCGが高値となるので、若年男性で前縦隔に腫瘍を認める場合、これらのマーカーは必ず測定する。
●治療
・心膜嚢胞、胸腺嚢胞
経過観察
時間とともに明らかに大きくなるもの、圧迫症状を呈する場合は手術適応。
・神経鞘腫などの良性充実性腫瘍
基本的には手術を行う。小児では悪性の割合が高くなる。
・胸腺腫
縦隔腫瘍の中で最も頻度が高い。正岡病期分類やWHO分類の結果をもとに治療方針を立てる。治療は原則として外科的切除であるが、広範囲に浸潤している症例においては化学療法、放射線治療を行った上で切除の可能性を考える。
・奇形腫
前縦隔に好発し男児に多く見られる。CTで石灰化や嚢胞形成があれば診断される。大部分は成熟奇形腫であり良性腫瘍のため経過を見るが、未熟奇形腫や悪性化奇形腫のような悪性腫瘍もあるため注意する。
・甲状腺腫
一般に良性腫瘍が多いため経過を見るが、増大すると気管を圧迫するため切除の適応となる。
・悪性胚細胞性腫瘍
セミノーマは化学療法がよく効くため、BEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)による化学療法を行い、腫瘍が残っている場合に手術や放射線治療も考慮する。
セミノーマ以外ではまずBEP療法を行い、血中腫瘍マーカーが正常化した場合は手術を行う。腫瘍マーカーが正常化しない場合は化学療法を継続する。
・悪性リンパ腫
化学療法が主体となる。
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