●原因
ポックスウイルス(pox virus)科に属する伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contagiosum virus)に感染することにより発症する。患児との接触による直接感染による。潜伏期間は14~50日程度。
●症状
表面平滑で光沢を帯びた1~5㎜程度の小丘疹が生じる。軟属腫の好発部位は体幹および四肢で、特に胸部や脇下、上腕内側などの間擦部では自家接種により多発する傾向がある。
●経過
半年から2年持続するが、自然治癒する。 大人ではHIV患者では悪化しやすい。日和見感染でできることもある。
●治療
14~50日程度の潜伏期間があるため、一旦治療をしてもすでに感染していたウイルスによって軟属腫が再発することがある。いずれの方法でも数回にわたって治療する必要がある。
プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控える必要があるが、学校は休まなくてよい。
・経過を見る
時間がかかることを説明する。
・ヨクイニンの内服
苦味があるため継続が難しい場合がある。
・ピンセットによる機械的除去
ペンレステープを貼り、1時間後に剥がした直後に除去する。
・硝酸銀ペースト
1)用意するもの
①40%硝酸銀液(薬剤部に依頼、遮光した入れ物に入れておく)
②小麦粉(うどん粉)
③竹ひご
④2%キシロカインゼリー(塩酸リドカイン、藤沢薬品工業)
⑤容器(プレ-ンの3~5ml検体用チュ-ブなど)
⑥耳かき(またはスパ-テル)
⑦スポイト(スポイト付褐色瓶に40%硝酸銀液を作ってもらうのが便利)
2)処置手順
①硝酸銀小麦粉ペ-スト作成
小麦粉0.05g(耳かき一杯)を容器に入れ、そこに40%硝酸銀液を0.2ml(スポイトで4滴)を加え、竹ひごで良く撹拌する。
②麻酔
2%キシロカインゼリーを施術部位に薄く塗布し、5~6分かけ完全に乾燥させる。
乾燥すると患部に半透明の薄い被膜が生ずる。
③硝酸銀小麦粉ペ-ストを、やや尖らせた竹ひごの尖端に微量付け、軟属腫の頂点に
1回塗布する。塗布は1回のみ、量は微量でよい。
④乾燥
2~3分かけ完全に乾燥させる。
乾燥している間、ペ-ストに触ったり、ペ-ストが他の部位に付かないようにする。
⑤経過
時間の経過と共に丘疹は黒色痂皮化する。10~14日後黒色痂皮は脱落し治癒する。
⑥確認
約2ヵ月後(潜伏期問が約7週なので)再診して完治したか否かを確認する。
取り残しがあれば、再度処置する。
3)備考
*1症例の使用量は約0.2ml。この量で30個前後の軟属腫が処置できる。
*小麦粉の濃度は25%~10%(0.2mlに0.05~0.02g)がよい。
前者ではやや硬めの、後者ではやや柔らかめのぺ一ストとなる。
*攪拌は「竹ひご」で行う。「金属棒」は不可。
*キシロカインゼリー塗布で自覚症状としての痛み、痒みの訴えは著しく減少する。
*腫瘤の中心以外にペ-ストを付けなければ周囲に紅量は生じない。
もし、他の部位にペ-ストが付いた時は生食(水は駄目)で拭き取り、洗い流す。
放置すると、ペ-ストの付いた部分が、黒くただれる。
*新関寛二:伝染性軟属腫への対処、臨床皮膚科学50(増刊):165-170,1996
・液体窒素で焼く
・スピール膏を貼る
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