●症状
2~3週間の潜伏期(平均18 日前後)を経て、唾液腺の脹・圧痛、嚥下痛、発熱を主症状として発症し、通常1 ~2週間で軽快する。
75%が両側性だが、25%は片側性。耳介下部~顎下にかけて腫脹する。腫脹は3日目にピークとなり10日間近く持続する。
●合併症
10%に無菌性髄膜炎を合併する。
思春期以降では、男性で20%に睾丸炎(睾丸痛・腫脹)、女性5%に卵巣炎を合併する。
20,000例に1例程度に難聴を合併する。
膵炎や関節炎を合併することもある。
※合併症とその頻度(%)
耳下腺炎 (100.0)、発熱 (81.1)、全身倦怠 (67.I)、嚥下困難 (66.2)、食思不振 (63.5)、頭痛(61.8)、耳痛 (44.6)、咽頭痛 (41.1)、すっぱい食物摂取での痛み (33.3)、易刺激性 (31.9)、悪心 (22.7)、嘔吐 (8.0)、腹痛 (22.3)、下痢 (6.7)、全身の痛み (17.1)、関節痛 (16.2)、睾丸炎・12歳以上の男児 (9.1)、乳腺炎・12歳以上の女児 (7.7)、卵巣炎・12歳以上の女児 (3.8)、膵臓炎 (2.7)
●検査
唾液腺由来のアミラーゼが血中、尿中で上昇する。
初感染でムンプスIgM(EIA法)が上昇(感染後早期~2ヶ月後)、既感染でムンプスIgG(EIA法)が上昇。
IgM:発症4,5日前~半年後まで陽性(>2)
IgG:>4で抗体価ありと診断
●鑑別診断
酸っぱい物で疼痛が増強すれば、唾液腺がやられてる。
・ウイルス性耳下腺炎
コクサッキーウイルス、パラインフルエンザウイルス、サイトメガロウイルスなどによる耳下腺炎。片側性が多い。
・化膿性耳下腺炎
血液検査で炎症反応上昇。抗生剤投与。
・反復性耳下腺炎
耳下腺腫脹を何度も繰り返すもので、軽度の自発痛があるが発熱を伴わないことがほとんどで、1~2 週間で自然に軽快する。耳下腺超音波で、ムンプスではびまん性耳下腺腫脹所見が、 反復性耳下腺炎では多発性小胞をともなう耳下腺腫脹所見が認められる。
・頸部リンパ節炎
・唾石症
●治療
安静、水分補給、アセトアミノフェン投与。
酸味の強い食物は疼痛を誘発することがあるので避ける。
患者と接触した場合の予防策として緊急にワクチン接種を行うのは有効ではなく、発症を予防することは困難である。
効果的に予防するにはワクチンが唯一の方法。有効性は95%程度で、接種者での罹患は5%程度。ワクチン後のムンプス罹患例では両側耳下腺が腫脹する頻度が低く、 耳下腺腫脹期間も短く、 無菌性髄膜炎を合併するリスクも約1/10に低下するなど、 ワクチン後のムンプス罹患例は初感染例に比べ軽症化が認められている。
耳下腺の腫脹が消失するまでは学校保健法により出席停止となる。
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