胸部XP・CT

Chest

●胸部XP

・撮影法

胸部正面像の撮影では立位P-Aが原則。坐位P-AやA-Pでは心臓が大きく写るため注意する。
胸部側面の撮影ではR-Lが原則。心臓が大きくなりにくく肺が広く写るため。
右肺に病変が疑われるときはL-Rで撮影する。フィルムに近い方が画像のぼけが少ないため。

●胸部CT

・左右

画面の向かって左が、患者の右、上が前面、下が背面。足の方から頭を見上げた方向の断面図である。かつては脳外科のCTのみ画面の向かって左が、患者の左と、頭から眺めるような向きで撮っていたが、他科のCTと向きが異なるため、混乱を避けるため、10年くらい前から患者の足の方から見た向きに統一された。

●肺炎

肺は約100~200μmの大きさの肺胞が集まり、ガス交換が行われている。肺炎では肺胞内に炎症性浮腫液が充満し、隣の肺胞に広がっていく。肺炎は形態的に肺胞性肺炎と気管支肺炎に区別される。

・肺胞性肺炎(大葉性肺炎)

炎症性浮腫液の粘性が低く、どんどんと肺全体に広がっていく。浸潤影(consolidation)、気管支気像(air bronchogram)を呈する。肺炎球菌、クレブシエラ、レジオネラ。

・気管支肺炎(小葉性肺炎)

最も強い炎症があるのが気管支や細気管支で、炎症性浮腫液の粘性が高く、広がりが制限され、気管支の周囲に円形にとどまる。斑状影、小葉中心性陰影を呈する。黄色ブドウ球菌、緑膿菌、インフルエンザ菌、モラキセラ、マイコプラズマ、誤嚥、前治療がある場合。

・間質性肺炎

肺の気管支や肺胞、血管などの周囲組織である肺の間質の炎症。びまん性、散布性、網状影、スリガラス様陰影を呈する。ウイルス、マイコプラズマ、カリニ。

●結核

初感染に引き続いて発症する一次結核と、年余の時間の後に発症する二次結核に区別される。一次結核では結核に対する免疫が未熟であり、リンパ節腫大や、血行性に広がり肺外結核を起こしやすい。二次結核の多くは免疫力の低下時に、潜在していた結核菌の再燃、あるいは再感染で発症する。二次結核は、肺尖部に多いが、これは高い酸素分圧と少ないリンパ流が原因である。二次結核では、空洞(肺癌や肺化膿症との違い:内部に液面像を呈することは少ない。空洞周囲に随伴陰影を伴うことが多い。)、びまん性小粒状影(他の気管支肺炎との違い:一つ一つの粒状影が比較的明瞭でやや堅い印象を受ける。肺転移との違い:肺転移では個々の粒状影の濃度が高く明瞭。)、tree-in-bud appearance(木の芽吹き様所見)が特徴。しかし肺結核はどんな画像形式でもとりうるため、喀痰検査(一般細菌の塗抹・培養・感受性、抗酸菌の塗抹・培養。可能であれば3連痰だが、難しければ少なくとも1回、胃液検査や咽頭ぬぐい液検査、誘発喀痰検査10%NaCl3ml+ベネトリン0.3ml+蒸留水7ml吸入も考慮)を行うことが重要。抗酸菌塗抹が陰性であれば、万が一結核であったとしても感染性は非常に低い。キノロン系抗生物質は避けて治療開始し、反応性や経過が不良の際に再度喀痰検査、QFT、ツ反、血沈、気管支鏡検査などを考慮する。QFTは高齢者であれば既感染で陽性のことは多く新規感染とは診断できない。またQFTは高齢者では偽陰性になりやすいので注意する。

●マイコプラズマ

マイコプラズマの菌体の先端にはtip構造と呼ばれる細胞吸着器官があり、気道の線毛上皮に接着する。接着したマイコプラズマは線毛上皮を滑走するが細胞内には入らず、表面感染という感染をする。こうして炎症は気道に沿って広がり、気管支炎、細気管支炎をおこす。気道に表面感染するマイコプラズマが肺内に炎症をおこすのは、免疫の中心的な役割を担うマクロファージが活性化され、肺内の炎症が生じるため。
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