頭痛の原因・頻度・鑑別

2. menstrual-migraine
頭痛の原因は様々であるが、問診により頭痛の種類を判別できることが多い。特に片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛を区別するための鑑別法を以下に記した。

●頭痛の原因

1.血管
頭部の血管が拡張して炎症を起こすと、周囲の神経が刺激されて頭痛が起こる。
片頭痛、群発頭痛
2.筋肉
頭部や頚部の筋肉や精神の緊張から頭痛が起こる。
緊張型頭痛
3.脳の疾患
脳腫瘍、クモ膜下出血、髄膜炎
4.眼や鼻の疾患による頭痛
副鼻腔炎、緑内障
5.精神的な疾患による頭痛
うつ病
6.頭の神経痛
三叉神経痛、後頭神経痛
7.だれにでも起こる日常的な頭痛
風邪、二日酔い、アイスクリームを食べたときの頭痛

●頭痛の頻度

約3000万人いると言われている。(国民の四人に一人)
緊張型頭痛は2200万人(15歳以上の国民の22%)、片頭痛は840万人(15歳以上の国民の8.4%)、群発頭痛は一万人に一人程度。
くも膜下出血と脳腫瘍は、毎年3万人程度発生していると推定されている。

●頭痛の問診

・頻度、反復性:月数回→片頭痛、連日→緊張型頭痛、2日に1回~1日数回→群発頭痛
・持続時間:4~72時間→片頭痛、30分~7日→緊張型頭痛、15分~180分→群発頭痛
・強さ:10のうちいくつか、寝込む・会社を休むほどか、最強→群発頭痛、強~中→片頭痛、中~弱→緊張型頭痛
・性状:拍動性・灼熱感・ガンガン・ズキズキ→片頭痛・側頭動脈炎、圧迫感・頭重・締め付けられるような痛み→緊張型頭痛、バットで殴られたような今までにな痛み→クモ膜下出血、眼の奥が打たれるような痛み・眼球をえぐられるような痛み→群発頭痛、ズキーン・針で刺された痛み・鋭い走るような痛み・電撃様→神経痛
・増悪因子:起立で悪化→低髄液圧症、前にかがむと悪化→副鼻腔炎、アルコ―ルで誘発→群発頭痛、血流を良くする処置(入浴・飲酒・薬品・マッサージ)で増悪→片頭痛・群発頭痛、生理→片頭痛、運動・労作→片頭痛
・軽快因子:血流を良くする処置(入浴・飲酒・薬品・マッサージ)で改善→緊張型頭痛、運動労作で軽快→緊張型頭痛、睡眠→片頭痛
・随伴症状:悪心・嘔吐
・前兆:閃輝暗点
・頭痛時の対応:痛い時じっとしていられない、のたうち回る→群発頭痛、じっとして耐える、なるべく頭を動かさないようにする→片頭痛・脳圧亢進症状・髄膜炎、臥位の方が髄液圧が上昇するので楽になる→低髄液圧症候群
・経過、発症様式:寛解期のあとに連日の頭痛→群発頭痛、突然→くも膜下出血、神経痛、急→片頭痛、いつとは知れず→緊張型頭痛
・好発時間帯・日内変動:睡眠中→群発頭痛、朝方・覚醒時から始まっていることもある(血管が拡張するため)→片頭痛、午後に好発(疲労がたまるため)→緊張型頭痛(朝からの場合は枕が合わない可能性)
・部位:片頭痛の4割は両側性、緊張型頭痛の多くは両側性、群発頭痛は一側性
・治療:有効・無効の治療
・その他:気候・季節による変動、睡眠パターン、性格、気分

●慢性頭痛の問診

・痛みの場所
A 頭の片側、または両側
B 頭全体・後頭部・首筋
C 目の奥(片側)
・痛みの性格
A ズキンズキンする痛み
B 重たい痛み
C 突き刺さるような痛み
・痛みの強さ
A 日常生活に支障をきたす
B 比較的軽い・我慢できる
C 我慢できないほどひどい
・体を動かすと
A 痛みがより強くなる
B 痛みの強さが変わらない
C 痛みが強くじっとしておられず、体を動かさずにはいられない
・痛みの周期
A 1~2回/月 あるいは 数回/年
B 毎日あるいは数日に1回
C 1~2ヶ月にわたって毎日1~2時間
・頭痛以外の症状
A 吐き気、音・光過敏
B めまいや目の疲れ
C 目の充血、涙、鼻汁
Aが多い:片頭痛の可能性高い
Bが多い:緊張型頭痛の可能性が高い
Cが多い:群発頭痛の可能性が高い
AとBが多い:片頭痛と緊張型頭痛の潜在型の可能性が高い

●点数による頭痛鑑別法

得点が100以上になるものは確実、80以上ならば可能性あり
・筋収縮性頭痛
1.常に圧力やバンドでしめつける感がある. 40
2.頭痛は後頭部、または項部に起る. 40
3.頭痛は、感情的興奮、または予期せぬ興奮で起る. 40
4.局所を暖めたりマッサージすると痛みが軽くなる. 20
5.頭痛は休養したり眠るとよくなる。   20
6.頭痛は1時間以内で消失する。 -100
7.典型的片頭痛にみられる限症状がある。 -100
8.一過性に手足に麻痺がきたり言語障害が出現する。 -100
・普通型片頭痛
1.頭痛は拍動性. 40
2.頭痛は一側から始まる. 40
3.たびたび嘔吐する. 40
4.服薬と関係なく嘔吐を伴わぬ吐き気が頻発する.20
5.頭痛は22歳以下で始まる. 20
6.家族歴で同じような頭痛がある. 20
7.頭痛発作が2週間以上持続する。 -100
・典型的片頭痛
1.一側性頭痛. 40
2.閃輝暗点のような症状が前駆する。 30
3.眼症状は30分以内 30
4.頭痛発作が2週間以上持続する -100
・群発頭痛
1.頭痛は群発する. 40
2.頭痛で夜間目をさます。 40
3.頭痛は一側の眼のまわりから始まる. 20
4.夜間の頭痛は2~3時間以内. 20
5.激しい頭痛. 40
6.一側の眼の発赤、流涙. 40
7.女性である. -40
8.頭痛発作が2週間以上持続する -100

●片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の区別

1.どこが痛むか
片側・前頭部(片頭痛、群発頭痛)、ときに両側・後頭部(緊張型頭痛)
2.どんな痛みか
ズキンズキン(片頭痛)、締めつけられる・圧迫される(緊張型頭痛)、突き刺す・えぐられる痛み(群発頭痛)
3.痛みの強さはどの程度か
中等度~かなり強い・日常生活に支障をきたす(片頭痛)、比較的軽い~中程度(緊張型頭痛)、きわめて強い(群発頭痛)
4.動作で頭痛はどうなるか
痛みが増す(片頭痛)、変わらない(緊張型頭痛)、痛くてじっとしていられない(群発頭痛)
5.頭痛以外の症状について
吐き気や嘔吐がする・光や音に敏感になる(片頭痛)、肩こりやめまい(緊張型頭痛)、涙が出る・目の充血・鼻水・鼻づまり(群発頭痛)
6.痛みの周期はどのようか
一ヵ月に1、2回程度~年に数回(片頭痛)、数日~毎日あるいはたまに(緊張型頭痛)、1~2ヵ月間に集中して毎日起こる(群発頭痛)

●頭痛の点数診断法

下記の項目に該当すればその点数を合計する。
マイナスのついている項目は得点から引く。
合計点が10点以上ならば可能性が非常に高い、8点以上ならば可能性が高い。
・前兆のない片頭痛
頭痛はずきずきタイプ(拍動性)・・・・・・4点
頭痛は片側から始まる・・・・・・4点
嘔吐する・・・・・・4点
吐き気はしばしば伴う・・・・・・2点
頭痛は22歳以下で始まった・・・・・・2点
家族にも同じような頭痛がある・・・・・・2点
頭痛が2週間以上持続する・・・・・・-10点
・前兆のある片頭痛
上記に加えて
一側性の頭痛・・・・・・4点
ぎらぎらしたものが見えてやがて目が見えなくなる・・・・・・3点
眼症状は30分以内で消える・・・・・・3点
・緊張型頭痛
重圧感やバンドでしめつけられる感じがある・・・・・・4点
頭痛は後頭部に起こる・・・・・・4点
頭痛はストレスや仕事の後に起こる・・・・・・4点
局所を暖めたりマッサージすると楽になる・・・・・・2点
頭痛は休養したり眠るとよくなる・・・・・・2点
頭痛の持続は1時間以内・・・・・・-10点
吐いたり目が見えなくなったりする・・・・・・-10点
手足に麻痺がきたり言語障害が出現する・・・・・・-10点
・群発頭痛
頭痛は群発する(ある期間、毎日のように起こる)・・・・・・4点
頭痛で夜間、目を覚ます・・・・・・4点
頭痛は一側の眼のまわりから始まる・・・・・・2点
頭痛は2~3時間以内・・・・・・2点
頭痛はとても激しい・・・・・・4点
一側の眼が充血し、涙が出る、あるいは鼻が詰ったり鼻水がでる・・・・・・4点
頭の両側が痛み、あるいは 1回の頭痛が半日以上続く・・・・・・-10点

●作田式問診診断

各項目ごとに問診を行い、「はい」「いいえ」のいずれかに○を付け、解答欄の数値を合計する。
・頭痛の直前に光りがチカチカ見える はい:3 いいえ:-1
・頭痛のとき、いつも肩こりがある はい:-3 いいえ:0
・頭の後ろ、ぼんのくぼに重い痛み(鈍痛)がおこる はい:-3 いいえ:1
・頭の右あるいは左だけが痛くなる はい:2 いいえ:-2
・頭痛とともに吐くことが多い はい:2 いいえ:-1
・頭痛のあいだ、光がまぶしい はい:2 いいえ:0
数値合計が
5以上・・・・・・・・・ 「片頭痛」
3~4・・・・・・・・ 「片頭痛の疑い」
+2~-2・・・・・ 「精密検査が必要」(脳腫瘍など危険な頭痛がここに入る)
-3~-4・・・・・・・ 「緊張型頭痛の疑い」
-5以下・・・・・・・ 「緊張型頭痛」

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