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成人には頻用する薬でも小児には禁忌あるいは投与注意である薬は多い。
●クラビット、タリビット、ジェニナック:ニューキノロン系抗生物質
キノロン系抗生物質は幼若犬、幼若ラットなどの幼若動物に関節障害を引き起こすことが知られている。
また、NSAIDSとの併用で痙攣誘発の副作用が報告されており、痙攣を起こしやすい小児への投与は控えたい。
小児に適応のあるニューキノロン系抗生物質としてバクシダールとオゼックスがある。
●ミノマイシン:テトラサイクリン系抗生物質
8歳未満の小児では歯牙の色素沈着を起こす可能性があり、投与を控える。
テトラサイクリン系抗生物質はカルシウムなどの金属イオンにキレート結合しやすいため、形成途上の歯の象牙質にテトラサイクリン系抗生物質がリン酸塩として沈着する。
一般にテトラサイクリン系抗生物質による歯牙着色は、最初は黄色で、その後時間の経過とともに酸化されて褐色、灰色に変化する。
出生直後から3歳頃までに投与された場合は前歯の先端部分と第一大臼歯が着色し、3~6歳頃の間に投与された場合は前歯の根元部分と小臼歯に着色する。
テトラサイクリン系抗生物質を投与された小児の3分の1に歯の着色がみられたという報告があるが、ミノマイシンについては小児発生率のデータはない。
総投与量が3g以上、あるいは投与期間が10日以上になると、着色が起こりやすくなる。
ミノマイシンによる歯の着色は、投与期間が長いほど発生率が高く、3ヶ月の投与で約50%に発生するとされる。
5日間の投与で歯に着色が生じたとの報告もあり、短期間の投与なら問題ないとは言い切れない。
しかし近年はマクロライド耐性マイコプラズマが増加傾向であり、重症時では短期間のミノマイシン投与が避けられないことがある。
●クロロマイセチン:クロラムフェニコール
腸チフスやツツガムシ病に投与される抗生物質であり、日本で使用されることはほとんどない。
乳幼児への投与で、嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止等があらわれるグレイ症候群を発症する恐れがあり投与禁忌となっている。
●ロペミン
強力な止痢剤で成人では急性胃腸炎の下痢止めとして頻用されるが、小児では原則禁忌である。
外国で過量投与により中枢神経障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある。
●アスピリン
成人では鎮痛薬あるいは抗血栓薬として使用されている。小児では川崎病に投与される。
水痘またはインフルエンザの患者にアスピリンを投与するとライ症候群を起こす可能性があり、アスピリンは投与禁忌である。
●ボルタレン:NSAIDs
水痘またはインフルエンザの患者にNSAIDsを投与するとライ症候群を起こす可能性があり、原則禁忌である。
●ぺリアクチン、ポララミン、タベジール、ザジテン:抗ヒスタミン薬
感冒や鼻炎に頻用されるぺリアクチンだが、熱性けいれんの既往のある児には投与しないよう注意したい。
第一世代抗ヒスタミン薬であるぺリアクチン、ポララミン、タベジールなど、また一部の第二世代抗ヒスタミン薬(ザジテン)は熱性けいれんに慎重投与となっている。
●テオフィリン
以前は喘息の特効薬であったテオフィリンだが、けいれんの副作用や血中濃度の管理が必要であるため、現在は喘息にはステロイドの投与あるいは吸入が原則となっている。
テオフィリンは喘息発作に有効であるが、けいれんやてんかんの既往がある児には慎重投与となっている。
