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心電図は日常診療に欠くことができないが苦手意識を持っている人も多い。自信を持って判読できるように、心電図の正常と異常、それぞれの疾患をまとめた。
●心電図の電極装着部位
・四肢
右手首:赤
左手首:黄
右足首:黒
左足首:緑
覚え方は「秋吉久美子」、つまり「あ(赤)き(黄)よし、く(黒)み(緑)こ」
・胸部
V1(赤):第4肋間胸骨右縁
V2(黄):第4肋間胸骨左縁
V3(緑):V2とV4の中間地点
V4(茶):第5肋間鎖骨中線上
V5(黒):第5肋間前腋窩線上
V6(紫):第5肋間中腋窩線上
覚え方は「アキミちゃん国試」、つまり「あ(赤)き(黄)み(緑)ちゃん(茶)こく(黒)し(紫)」
●心電図の目盛り
横:時間(秒)を表す。小さな1目盛り(1mm)=0.04秒、大きな1目盛り(5mm)=0.2秒
縦:電位(mV)を表す。小さな1目盛り(1mm)=0.1mV
●心電図の判定基準
A:異常なし
B:軽度異常あるも日常生活に支障なし
C:異常があり再検査、または経過観察を要する
D1:要治療
D2:要精密検査
E:治療中
参照:人間ドック学会ガイドライン一覧の心電図健診判定マニュアル
●心拍数
・正常心拍数
60~100
・心拍数の測り方
RR間隔を測る。
心拍数=300÷大きな目盛りの数
RR間隔が大きな1目盛りのとき、300/分
RR間隔が大きな2目盛りのとき、150/分
RR間隔が大きな3目盛りのとき、100/分
RR間隔が大きな4目盛りのとき、75/分
RR間隔が大きな5目盛りのとき、60/分
RR間隔が大きな6目盛りのとき、50/分
・徐脈:判定A(45‐49)、判定C(40‐44)、判定D2(‐39)
<50/分(小学生<45、中学生<40)
・頻脈:判定D2
>100/分(小学生・中学生>180)
●心電図各波の陽性・陰性
・正常
P波:aVRを除きすべて陽性(Ⅲ、V1が陰性になることがある)
QRS波:V1のR/S<1で移行帯はV3
T波:aVRとV1を除きすべて陽性
●軸偏位
・正常な電気軸
-30°~+110°
Ⅰ誘導とaVF誘導で作図する。
・右軸偏位:+110°以上、判定B
やせ形、小児、右室肥大、右脚ブロック、左脚後枝ブロック、WPW症候群(A型)、肺高血圧症、僧帽弁狭窄症(MS)、肺動脈弁狭窄症(PS)、心房中隔欠損症(ASD)、ファロー四徴症(TOF)、右胸心
・左軸偏位:-30°以下、判定B
肥満、妊婦、高齢者、高血圧、左室肥大、左脚ブロック、左脚前枝ブロック、下壁梗塞、WPW症候群(B型)、大動脈弁狭窄症(AS)、心内膜欠損症(ECD)、三尖弁閉鎖(TA)、肺気腫
※新生児~乳児では右軸偏位だが、ECD、TAのときは左軸偏位になる。
・左脚後枝ブロック:判定D2
右軸偏位+Ⅰ誘導にS波、QRS幅<0.12
・左脚前枝ブロック:判定D2
左軸偏位+Ⅲ誘導にS波、QRS幅<0.12
●P波
右房から左房へ興奮が伝わるため、電気信号は右上から左下に向かう。
進行方向に当たる誘導(Ⅰ,Ⅱ,aVF、V3~V6)ではP波は上向きに、進行方向と反対の誘導(aVR)では下向きとなる。
基本的にⅡ誘導で見る。
・正常
P波の高さが2.5mm(0.25mV)未満、P波の幅が3mm(0.12秒)未満
・右房拡大:P波の高さが2.5mm(0.25mV)以上、判定B
慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息、陳旧性肺結核、塵肺、肺高血圧、肺梗塞、肺動脈弁狭窄症(PS)、三尖弁狭窄症(TS)、心房中隔欠損症(ASD)、ファロー四徴症(TOF)
・左房拡大:P波の幅が3mm(0.12秒)以上、判定B
漏斗胸、僧帽弁逆流症(MR)、僧帽弁狭窄症(MS)、大動脈弁狭窄症(AS)、大動脈弁閉鎖不全症(AR)、肥大型心筋症、拡張型心筋症、狭心症、心筋梗塞、心筋炎、左心不全
●PQ間隔(PR間隔)
・正常
3mm~5mm(0.12秒~0.20秒)
・PQ延長:5mm(0.20秒)以上
Ⅰ度房室ブロック(運動選手、下壁梗塞、前壁梗塞、ジギタリス、β遮断薬、カルシウム拮抗薬)
・PQ短縮:3mm(0.12秒)未満
WPW症候群
●QRS波
・正常
<2.5mm(0.10秒)
・不完全右脚ブロック:2.5mm~3.0mm(0.10秒~0.12秒)、判定B
・完全右脚ブロック:3.0mm(0.12秒)以上、判定C
V1でM型
健常者でも多い、心房中隔欠損症
・不完全左脚ブロック:2.5mm~3.0mm(0.10秒~0.12秒)、判定B
・完全左脚ブロック:3.0mm(0.12秒)以上、判定D2
V5またはV6でM型
大動脈弁狭窄症(AS)、虚血性心疾患
●ST変化
・ST低下:判定D2
右上がりのST下降は異常ではない。
2㎜以上下降したとき
狭心症
・ST上昇:判定D2
2mmまでの上昇は健常者でもみられる。
心筋梗塞、心膜炎
●QT時間
・正常
<11mm(0.44秒)
・QT延長:11mm(0.44秒)以上:判定C(450-480)、判定D2(481-)
QT延長症候群、薬剤
●心肥大
・右室肥大:判定C
RV1/SV1>1、RV1>7mm、陽性T波、V5・V6でS波高い
小児、肺高血圧症、肺動脈弁狭窄症(PS)、ファロー四徴症(TOF)
・左室肥大:判定C、判定D2(ST-T変化・T波異常がある場合)
SV1+RV5またはV6>35mm、RV5またはV6>26mm、strain T波、陰性T波
運動選手、高血圧、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症(AS)
●房室ブロック
・一度房室ブロック:判定C
PR>5mm(0.20秒)以上
運動選手、下壁梗塞、前壁梗塞、ジギタリス、β遮断薬、カルシウム拮抗薬
・Wenckebach型二度房室ブロック:判定C/D2
PRのびてQRS脱落
PR>5mm(0.20秒)以上
・Mobitz型二度房室ブロック:判定D2
いきなりQRS脱落
・三度房室ブロック:判定D2
PとQRSがバラバラに出現
●異常Q波:判定D2
Q波の幅が1mm(0.04秒)以上、深さがR波の4分の1以上
虚血性心疾患
●Brugada(ブルガダ)症候群:判定D2

右脚ブロック+V1~V3のcoved型またはsaddleback型のST上昇


