クループ

★クループ症候群
●概念
感染・アレルギー反応による喉頭およびその周辺の炎症性浮腫・攣縮によって引き起こされる気道狭窄により、吸気性喘鳴・犬吠様咳嗽 ・嗄声を呈する疾患群。
●鑑別診断
急性喉頭気管炎
痙性クループ
急性喉頭蓋炎
喉頭ジフテリア
細菌性気管炎
扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍
異物誤飲
急性血管神経性浮腫
上気道損傷
上気道の先天奇形(喉頭軟化症・声門下狭窄・声帯麻痺)
喉頭乳頭腫・喉頭血管腫
★クループ(急性喉頭気管支炎)
●概念
ウイルス感染により、喉頭・声門下・気管に炎症性浮腫が生じることで症状を呈する。
半数以上がパラインフルエンザのことが多く、他はインフルエンザ、アデノ、RSなどの感染が原因で起こる。
3ヶ月~3歳、冬に多い。
●症状
鼻汁・鼻閉などの上気道症状から始まり、吸気性喘鳴、犬吠様咳嗽、嗄声を呈する。
●検査診断
頚部X線
正面像:steeple sign
側面像:声門下の狭窄と下咽頭の拡張
●クループスコア
・意識
正常:0点
失見当、混乱:5点
・チアノーゼ
なし:0点
興奮時のみ:4点
安静時も:5点
・陥没呼吸
なし:0点
軽度:1点
中等:2点
高度:3点
・喘鳴
なし:0点
興奮時のみ:1点
安静時も:2点
・呼吸音
正常:0点
減弱:1点
著しく減弱:2点
軽症:<2点 中等症:3-7点 重症:>8点
●治療
・アドレナリン(ボスミン)吸入 30分毎繰り返す
1000倍ボスミン(0.1%)原液(1mg/ml) 0.2~0.3ml/回 生食2mlと一緒に
5000倍ボスミン(0.02%) 原液+生食4ml(0.2mg/ml) 1~1.5ml/回
1~2時間と作用時間が短い。
重症例には、気管内挿管・気管切開を回避する効果が言われている。
海外のガイドラインでは5mg/回が推奨されているが、日本では主に0.2~0.3mg/回使用している。
・ステロイド投与
軽症のとき、デカドロン 0.15mg/kg(1.5ml/kg) 1回経口投与
デカドロン0.6mg/kg経口と筋注の効果は同等、デカドロン0.15mg/kgとデカドロン0.6mg/kgでも効果は同等という結果あり。
デカドロンは24時間効果が出るため、1回投与のみでほとんどの症例で治癒する。
中等症~重症のとき、デカドロン 0.6mg/kg(3ml/kg) 1回内服or静注or筋注
改善に乏しい場合は、12~24時間ごとに反復する。
・ステロイド吸入
直接炎症部位に作用するため、必要量が減量でき、副作用を減少できる可能性がある。
保険適用はない。
パルミコート2~4mg吸入は、デカドロン0.6mg/kg経口やボスミン4mg吸入と同等の効果あるが、デカドロン0.6mg/kg筋注よりやや劣る。
吸入による効果は比較的長時間持続する。
軽症の外来患者のうち、デカドロンの内服困難な児などが良い適用となり得る。
しかし、パルミコート2mgは薬液8mlに相当し、吸入に30分程度かかるので簡便とは言えない。
・治療まとめ
軽症
①ボスミン 0.1~0.3mg/kg/回 吸入
②デカドロン 0.15mg/kg/回 内服
③(内服できない場合) パルミコート 2mg/回 吸入
中等症
①ボスミン 0.1~0.3mg/kg/回 吸入 30分ごと反復
②デカドロン 0.15~0.6mg/kg/回 内服 or 静注
③(改善に乏しい場合) ②を12~24時間ごと反復
重症
①ボスミン 0.1~0.3mg/kg/回 吸入 30分ごと反復
②デカドロン 0.15~0.6mg/kg/回 静注 or 筋注
他、安静、加湿、酸素投与など行う。
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