●問診
・特定の頭位をとると、回転性あるいは動揺性のめまいが起こる。
「朝起きて座ったとたんに目が回った」
「ベッドの中で寝返りをしたとき」
「洗濯物を干していて上を見上げたとき」
「棚の上の物を取ろうとしたとき」
「洗髪で下を向いたとき」
・めまいの持続時間
1回あたりの持続時間は数秒から数十秒
・随伴症状の有無
基本的に蝸牛症状は伴わない
嘔気、嘔吐は高頻度
約半数に後頭部の違和感あり
●検査
・頭位眼振検査(Supine roll test)
・頭位変換眼振検査(Dix-Hallpike test)(フレンツエル眼鏡or赤外線CCDカメラ)
・Caloric試験:患者を臥床させ,頭部を30°挙上する。試験前に外耳道や鼓膜に問題がないことを確かめておいてから,片側外耳道に冷水(33℃)あるいは温水(44℃)を還流させる。正常では冷水刺激でそれから遠ざかるような眼振が出現し,温水刺激でそれに近づくような眼振が出現する。出現開始までの時間と消退する時間を記録し,左右比較する。眼振反応が消失している状態は半規管麻痺とよばれ,前庭神経炎などでみられる。
・CT
・MRI
・歩行:歩行は不安定になり,一側の障害では病変側に偏倚していく。小脳病変では運動失調性の開脚歩行がみられる。タンデム歩行や片脚起立も観察する。
・継ぎ足歩行
・腕偏倚試験:患者は椅子に座った姿勢で,両上肢を前方水平に挙上し,示指を伸ばす。検者は自分の両示指を患者のそれに向かい合わせ固定し,元の位置の指標とする。その後患者を閉眼させ,示指がどのように偏倚するか観察する。前庭系障害があれば水平方向に偏倚していく。一般に,末梢性障害では平行に偏倚することが多いのに対し,中枢性障害では一側優位となり非平行性に偏倚する傾向がある。
・閉眼足踏み試験:患者は直立し,閉眼し,その場所を変えないように足踏みをする。異常があるとき,30歩を超えるあたりで左右どちらかへ回旋してくる。50歩で45°以上回旋するのを異常とする。一般に,末梢性障害では眼振の緩徐相(病変側)に回旋する傾向があり,中枢性障害では回旋方向に特異性はない。
・Romberg試験:閉眼するとやがて体が主に横方向に,時に前後方向にゆっくりと動揺してくる.一般に,末梢性障害では眼振の緩徐相(病変側)に向かう傾向があり,中枢性障害では方向に特異性はない。
・指鼻試験、膝踵試験
・バレーテスト
・心電図
※垂直性眼振、眼振なしの場合は中枢性を疑う
※めまいの3%は脳梗塞であり、HTやDMの既往がある場合はMRIまでとる
●検査所見と分類
1.頭位変換眼振検査による後半規管型BPPVの所見
・右後半規管結石、クプラ結石
右45度懸垂頭位で患者から見て右回り(検者から見て反時計方向回り)の回旋性上眼瞼向き垂直性眼振、右45度頸部捻転坐位で患者から見て左回り(検者から見て時計方向回り)の回旋性下眼瞼向き垂直性眼振。
クプラ結石:短潜時で持続時間が長い。
・左後半規管結石、クプラ結石
左45度懸垂頭位で患者から見て左回り、左45度頸部捻転坐位で右回りの眼振
クプラ結石:短潜時で持続時間が長い。
2.頭位眼振検査による水平(外側)半規管型BPPVの所見
頭位眼振検査→右下頭位で右向き,左下頭位で左向きの方向交代性水平性下向性(向地性)眼振
クプラ結石:方向交代性上向性(背地性)眼振
●分類
1.半規管結石症
2.クプラ結石症
①後半規管型BPPV、②前半規管型BPPV、③外側半規管型BPPV
前半規管型は非常にまれで、後半規管型:外側半規管型が2:1の比率である。
●BPPVの統計学的検討
めまいが主訴の患者の約6割がBPPVである。50-70歳台の女性に多い。
●除外診断
・メニエール病
めまい発作、耳鳴、難聴を反復する
イソソルビド内用液剤 120mL/日 分3→90ml→60ml→30ml→0ml、アデホス 300mg/日 分3、メチコバール 1500μg/日 分3、メリスロン 36mg 分3
・前庭神経炎
強いめまいがあり、嘔吐をともなうが、聴力は正常で、耳鳴りもない。頭位を変えても方向が変わらない定方向性の水平回旋混合性の注視眼振・自発眼振が数日以上持続する。体平衡検査では、患測への転倒、あるいは偏奇現象がみられる。
アデホス、メチコバール、メリスロン
・突発性難聴
発症から1週間以内の治療が奏功する。ソルコーテフ 500mg/日(2~3日ごとに100mgずつ漸減)、アデホス 80mg/日、メイロン 250mL/日
・内耳炎
・外傷 (内耳振盪、側頭骨骨折)
・ハント症候群
・頸性めまい
変形性頚椎症やむちうち症など頚部の疾患が原因で起こる。特徴としては手や腕のしびれの症状を伴うケースが多い。同じ首の動きをとることでめまいが誘発され、首を回したり反らした時に起こりますが数分以内で治まるケースがほとんど。
・椎骨脳底動脈循環不全症
一過性で数分以内の短時間のめまいが頻発する。眼前暗黒感、下肢の脱力発作、平衡障害、手足のしびれ・麻痺、言語障害といった訴えを示すことがあるが、本症に特有の所見はない。高齢者で、動脈硬化、高血圧、糖尿病などを、合併しそのような症状を一過性に示すときは、VBIと診断できる。
・内頸動脈狭窄症
・不整脈
・小脳出血
回転性めまい、強い嘔吐、頭痛の三徴候
・小脳梗塞
小脳出血と類似しているが、重篤さが少ないのが特徴
・聴神経腫瘍
・心因性めまい
睡眠不足や過労、対人関係が引き金となる。パニック障害や過換気症候群のこともある。
・低髄圧症候群
・起立性調節障害
●BPPVの治癒経過
治癒までの平均日数:1週間で約半数は治癒するが、1/5人は1ヶ月以上続いている。
●二次性BPPV
二次性BPPVでは内耳疾患(内リンパ水腫、前庭神経炎等)が多く、治癒が遷延しやすい。また内リンパ水腫と頭部外傷は再発しやすい。
●頭位治療の実際
・Epley法、Semont法→後半規管型BPPV
・Lempert法→外側半規管型BPPV
・Brandt-Daroff法→治療抵抗性症例の非特異的治療として勧めている。クプラ結石症など
有効率60~80%
●Epley法を成功させるためのコツ
・ちゃんと後屈をしないと効果がでない。頭部後屈は不可欠である。
・Epley原法では施行後48時間の坐位保持が書かれているが、10分程度でも効果がある。
●予後
BPPVの再発率は27%であり、再発は6ヶ月以内に生じることが多い。
耳石置換法を行わなくても3ヶ月で9割の患者で症状が消失すると言われている。
●薬物療法
メイロン、アタラックスP、プリンペラン、セルシン
メリスロン、アデホス
五苓散
トラベルミン
セロクラール、ケタス
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良性発作性頭位めまい症(BPPV)

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