●COPDの症状
40歳以上、10年以上の喫煙歴あり
坂道などで呼吸困難、3週間以上続く咳・痰・喘鳴、頻回に起こる風邪症状
●COPDの診断
気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーで1秒率(FEV1/FVC<70%)を満たす。
他の気流閉塞を来たし得る疾患を除外する。
●COPD問診票
1.あなたの年齢はいくつですか?
40~49歳 0 50~59歳 4 60~69歳 8 70歳以上 10
2.今まで、合計で何年間くらいタバコを吸っていましたか?(1日の本数×年数)
0~299 0 300~499 2 500~999 3 1000以上 7
3.BMI=体重(kg)/身長(m)2
BMI<25.4 5 BMI 25.4~29.7 1 BMI>29.7 0
4.天候により、咳がひどくなることがありますか?
はい 3 いいえ 0
5.風邪をひいていないのに痰がからむことがありますか?
はい 3 いいえ 0
6.朝起きてすぐに痰がからむことがよくありますか?
はい 0 いいえ 3
7.喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)がよくありますか?
いいえ、ありません 0 時々、もしくはよくあります 4
8.今現在(もしくは今まで)アレルギーの症状はありますか?
はい 0 いいえ 3
17ポイント以上:COPDの可能性あり
16ポイント以下:COPDの可能性は低い
●スパイロメトリー(肺機能検査)
努力性肺活量(FVC):最大の速さで一気に吐き出せる量
肺活量(VC):最大に息を吸気した状態から最大限に息を呼出させて得られる肺容量変化のこと
1回換気量:通常時(安静時)の呼吸の量
%肺活量(%VC):予測肺活量と実測肺活量の比率、80%以下は拘束性障害
1秒量(FEV1):努力性肺活量における最初の1秒量
1秒率(FEV1/FVC%)(Gaenslerの1秒率):努力性肺活量(FEV)における1秒量(FEV1)の比率、70%以下は閉塞性障害
1秒率(FEV1/VC%)(Tiffeneauの1秒率):肺気腫のような気流制限がある場合努力呼気時の空気の捕らえ込み(air trapping)現象によりVCよりもFVCが小さい値になり、FEV1%が過小評価されるため、VCの比率でみる。70%以下は閉塞性障害
6秒量(FEV6):努力性肺活量における最初の6秒量。
6秒率(FEV1/FEV6%):努力性肺活量(FEV)における6秒量(FEV1)の比率、73%以下は閉塞性障害
%FEV1:1秒量の予測値(標準値)に対する%
残気量(RV):息を吐ききった後に肺に残っている酸素量
肺年齢:FEV1(一秒量)の予測式に実際に測定して得られた値を当てはめて計算する。肺年齢は、実際に測定して得られた値が、その人の身長・性別だったら何歳の人のFEV1 に相当するのかを示すものである。実年齢よりも19歳以上高い肺年齢が出た人の89.5%に何らかの肺機能異常がある可能性がある。
ATI(%)=[(VC-FVC)/VC]×100
健常者ではVCとFVCはVC≧FVCでほぼ同じ値になるが、COPDや気管支喘息などがあると呼気が不十分な状態のためFVCはVCに比べて減少する。この現象を空気とらえこみ(Air-Trapping)といいATI指数(Air-Trapping Index)で表される。健常者ではATI指数が±5%以内を目安に判断している。air trapping indexが25%で、閉塞性障害があると考えられる。
●COPDの呼吸機能検査所見
1秒率(FEV1/FVC%)70%未満であれば、閉塞性障害(気流制限)があると判定する。
1秒率(FEV1%)=1秒量(FEV1)÷努力肺活量(FVC)×100
しかし、中等症以上のCOPDではFVCも低下する傾向にあるため、FEV1%だけで重症度(病期)を適切に判定するのは難しい。そこで病期は、患者のFEV1が同姓・同年代の健常者の何%に相当するかを表す%1秒量(% FEV1)を基準に分類している。
%1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100
●閉塞の可逆性
COPDの気流制限の原因には不可逆的因子と可逆的因子があると考えられている。不可逆的因子による閉塞の改善は難しいが、可逆的因子であれば治療によってある程度回復できると期待される。
可逆性の指標としても1秒量(FEV1)が用いられ、気管支拡張薬投与前後の%変化率で判定する。健常者の1秒量の変化率は5%以内と報告されているが、12%以上かつ200mL以上増加すれば可逆性ありと考える。つまり、変化率は改善率を意味し、治療反応性を確認する根拠ともなりうる。
%変化率=(拡張薬投与後のFEV1-拡張薬投与前のFEV1)÷(拡張薬投与前のFEV1)×100
※気流制限の可逆的因子と不可逆的因子
不可逆的因子
・気道の線維化と狭窄
・肺胞破壊による肺弾性収縮圧の減弱
・気道周囲の肺胞崩壊による気道壁の易虚脱性
可逆的因子
・気道内の炎症細胞、粘液、血液浸出物の貯留
・末梢および中枢気道における平滑筋収縮
・運動時の動的過膨張
●COPDと鑑別を要する主な疾患
1.気管支喘息
2.びまん性汎細気管支炎
3.先天性副鼻腔気管支症候群
4.閉塞性細気管支炎
5.気管支拡張症
6.肺結核
7.塵肺症
8.肺リンパ脈管筋腫症
9.うっ血性心不全
10.間質性肺疾患
11.肺がん
●治療
軽症:短時間作用型β2刺激薬の必要時吸入
サルタノール、メプチン 1回2噴射、必要時吸入
短時間作用型抗コリン薬の必要時吸入
テルシガン、アトロベント 1回2~3噴射、1日2~4回
中等症:長期間作用型の抗コリン薬の定時吸入
スピリーバ 1日1回ブリスター吸入
長時間作用型β刺激薬の定時吸入
セレベント 50μg 1日2回吸入
テオフィリン製剤
テオドール、テオロング、ユニフィル 400~600mg分2 (血中濃度定期的測定)
重症:高用量吸入ステロイド定時吸入
キュバール200μg 1日3~4回
フルタイド200μg 1日2回
β2刺激薬+ステロイド薬吸入
アドエア
去痰薬(ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン、クリアナール)
補中益気湯
●増悪時の治療
・気管支拡張薬の吸入(主にSABA)
・抗菌薬の投与(肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスの感染が多い)
・プレドニゾロン(プレドニン)の経口投与 20~30mgを7~10日
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