●瀉心湯類(しゃしんとうるい)
黄芩(おうごん)と黄連(おうれん)を主薬とする処方群である。胸やみぞおちのつかえがある人(心下痞硬)を目標としている。胃腸機能の低下、胸やけ、食欲不振、嘔気などに用いられる。
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)14:黄芩2.5・黄連1.0・半夏5・乾姜2.5・人参2.5・甘草2.5・大棗2.5。軽い吐気や嘔吐、食欲不振、下痢、時に発熱を伴う、腹中雷鳴、胸やけ、胃部つかえ感、胃もたれ、腹満感、おくび、口内炎、口臭、胃腸炎、胃拡張、鼓腸、二日酔い、神経症、ストレス性胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎。腹力中等度前後かそれ以上。白苔。
・三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)113:黄芩3・黄連3・大黄3。大黄を加えている。消炎瀉下薬と考えられ、上半身の充血を鎮める意味を持ち、高血圧の諸症状で便秘のある人に用いる。実証に用いる。腹力中等度前後かそれ以上。高血圧、赤ら顔、ほてり顔、耳鳴り、不眠、便秘、痔出血、鼻出血、喀血、吐血、更年期障害、気分の不安定さ、いらいらしやすい。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)15:黄芩3・黄連2・山梔子2・黄柏1.5。高血圧の諸症状で便秘のない場合に用いる。腹力中等度前後、手足はあまり冷えない。高血圧、赤ら顔、ほてり顔、めまい、心悸亢進、急性胃炎、胃痛、胃もたれ、喀血、吐血、下血、皮膚掻痒症、皮膚熱感・発赤、脳卒中後遺症、感情失禁、易興奮性、焦燥感、気分の不安定さ、高ぶりやすい、いらいらしやすい。
●半夏剤(はんげざい)
半夏剤は半夏を主構成生薬とする処方群で、半夏には上部消化管の湿を除き(燥湿)、気を下すことで悪心、嘔吐を緩解させる働き(降逆止嘔)がある。生姜は半夏の刺激性を緩和する目的で配剤され、止嘔の作用を増強する。苓朮剤が全身性の水滞に対応するのに対し、半夏剤は胃部から突き上げてくるような吐き気、悪心、めまい、頭痛、くしゃみ、水様性鼻汁などの上半身の水分の停滞や代謝異常に起因する症候に適応し、口渇や下痢をともなわないのが特徴である。
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)14:黄芩2.5・黄連1.0・半夏5・乾姜2.5・人参2.5・甘草2.5・大棗2.5。軽い吐気や嘔吐、食欲不振、下痢、時に発熱を伴う、腹中雷鳴、胸やけ、胃部つかえ感、胃もたれ、腹満感、おくび、口内炎、口臭、胃腸炎、胃拡張、鼓腸、二日酔い、神経症、ストレス性胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎。腹力中等度前後かそれ以上。白苔。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)16:半夏6・茯苓5・厚朴3・蘇葉2・生姜1。何かにひっかかかっているような咳、喉から胸に何かがつかえているような感、喉頭つかえ感、嘔吐しやすい、気を病みやすい、神経過敏、嗄声、動悸、めまい、疲れやすい、気がふさがって晴れない、不眠症、神経質、神経症、妊娠悪阻(めまい、不眠症を伴う)、腹力中等度前後。
・茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)116:半夏6・茯苓5・蒼朮4・厚朴3、陳皮3・人参3・蘇葉2・枳実1.5・生姜1。喉頭つかえ感、胸苦しさ、おくび、神経質、抑うつ、気分がふさぐ、訴えが多岐にわたる、妊娠悪阻(気分がふさぐ、喉頭違和感がある)、急性胃炎、慢性胃炎、不安神経症、腹力中等度前後。
・小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)21:半夏6・茯苓5・生姜1.5。嘔吐、食物が胃に収まらない、妊娠悪阻。
・二陳湯(にちんとう)81:半夏5・茯苓5・陳皮4・甘草1・生姜1。嘔気・嘔吐(心下が気持ち悪い、めまい、動悸、頭痛を伴う)、水滞。腹力中等度以下。
・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)37:半夏3・陳皮3・白朮3・茯苓3・天麻2・黄耆1.5・沢瀉1.5・人参1.5・黄柏1・乾姜0.5・麦芽2。胃腸虚弱症、疲れやすさ、頭痛、めまい、食欲低下、易疲労感、冷え症、起立性調節障害、水滞。腹力中等度以下。
・二朮湯(にじゅつとう)88:半夏4・蒼朮3・威霊仙2.5・黄芩2.5・香附子2.5・陳皮2.5・白朮2.5・茯苓2.5・甘草1・生姜1・天南星2.5・和姜活2.5。五十肩、頸肩腕症候群、肩や腕の痺れ・痛み、腹力中等度前後。胃内停水。筋肉にしまりなくブクブクの水毒性体質。
・麦門冬湯(ばくもんとうどう)29:麦門冬10・半夏5・大棗3・甘草2・人参2・粳米5。気管支炎、気道の乾燥感、喉頭の刺激感、気道過敏性、気管支喘息、咳嗽、嗄声、少量で切れにくい喀痰。
●人参湯類(にんじんとうるい)
人参(にんじん)を主薬とする処方群である。人参は健胃、強壮作用、免疫賦活作用などを有し、虚証の治療に重要な生薬であり、使用目標は胃腸の気を補い、消化機能低下や冷えを改善するものと、共通している。心下痞硬を認める場合用いる。
・人参湯(人参湯)32:人参3・乾姜3・白朮3・甘草3。胃腸虚弱、嘔吐、軟便、胃痛、腹部の冷え、冷え性、息切れ、倦怠感、食欲不振、腎機能低下、妊娠悪阻(胸やみぞおちにつかえ感があり嘔吐が止まらないもの)などに用いる。また、口中に薄い唾液がたまって気持ちが悪い場合にも用いられる。腹力中等度以下。
・大建中湯(だいけんちゅうとう)100:山椒2・人参3・乾姜5・膠飴20。血流を増し、消化管を刺激し、体を温め、消化管の緊張を調節するなどの作用があり、冷えによる腹痛、腹部膨満感がある場合に用いる。イレウス、便秘、下腹部痛など。
・四君子湯(しくんしとう)75:人参4・蒼朮4・茯苓4・甘草1・生姜1・大棗1。胃腸虚弱で胃内停水があり、食欲不振で虚証で気力・体力が衰えた場合に用いる。慢性胃炎、胃もたれ、嘔吐、下痢、食欲低下、気力低下。腹力中等度以下。
・六君子湯(りっくんしとう)43:人参4・蒼朮4・茯苓4・半夏4・甘草1・生姜0.5・大棗2・陳皮2。四君子湯に陳皮(ちんぴ)と半夏(はんげ)を加えたものであり、応用範囲は四君子湯よりも広く、胃のもたれやうつ状態の強い人に用いる。慢性胃炎、胃もたれ、嘔吐、食欲低下、元気がない、疲れやすい、気力低下、めまい、動悸。腹力中等度以下。
・茯苓飲(ぶくりょういん)69:茯苓5・蒼朮4・人参3・陳皮3・生姜1・枳実1.5。吐き気や胸やけ、胃もたれ、げっぷ、食欲不振などの症状があり、胃腸内にたまったガスを容易に排出できない場合に用いる。腹力中等度前後。
・桂枝人参湯(けいしにんじんとう)82:桂皮4・甘草3・蒼朮3・人参3・乾姜2。胃腸虚弱、下痢しやすい、腹部の冷え、頭痛、のぼせ、動悸。腹力中等度以下。
・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)31:呉茱萸4・人参3・生姜6・大棗3。嘔吐、手足の冷え、頭痛。反復する頭痛、嘔吐。片頭痛。腹力中等度以下。
・炙甘草湯(しゃかんぞうとう)64:炙甘草3・生姜3・桂枝3・麻子仁3・大棗3・麦門冬6・人参3・阿膠2・生地黄6。動悸、息切れ、易疲労感、体力低下。腹力中等度以下。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)41:人参4・黄耆4・蒼朮4・当帰3・柴胡2・大棗2・陳皮2・甘草1.5・升麻1・生姜0.5。虚弱で疲れやすく胃腸の働きが衰え、四肢倦怠感著しく食欲不振などの症状が持続的に存在する慢性疾患に用いられる。感冒などの病気後の食欲不振・倦怠感・微熱・気力低下、食欲低下、胃腸虚弱、全身倦怠感、気力低下、夏負け、多汗症、脳卒中後遺症、脱肛、子宮脱、インポテンツ。腹力中等度以下。
・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)48:人参3・黄耆3・蒼朮3・当帰3・茯苓3・桂皮3・地黄3・芍薬3・川芎3・甘草1.5。病後・術後の体力回復や増強、消化機能改善に用いられるが、特に皮膚の枯燥や血虚の兆候、貧血が鑑別のポイントとなる。補中益気湯に貧血の適応が加わっている。術後の食欲低下・気力低下・貧血、食欲低下、気力低下、貧血、顔色不良、疲労倦怠感、寝汗、手足や腰の冷え、皮膚乾燥。腹力中等度以下。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)108:地黄4・当帰4・白朮4・茯苓4・人参3・桂皮2.5・遠志2・芍薬2・陳皮2・黄耆1.5・甘草1・五味子1。食欲低下や気力低下に用いられるが、十全大補湯に呼吸器症状や精神症状の適応をを加えたもの。病後の食欲低下・気力低下、食欲低下、気力低下、貧血、顔色不良、疲労倦怠感、寝汗、手足や腰の冷え、呼吸器疾患、咳が長引く、精神機能低下、認知症、不眠、不安、健忘。腹力中等度以下。
・帰脾湯(きひとう)65:黄耆3・酸棗仁3・人参3・白朮3・茯苓3・竜眼肉3・遠志2・大棗2・当帰2・甘草1・生姜1・木香1。貧血、顔色不良、不眠症、疲れやすい。腹力中等度以下。
・加味帰脾湯(かみきひとう)137:黄耆3・酸棗仁3・人参3・蒼朮3・茯苓3・竜眼肉3・柴胡3・遠志2・大棗2・当帰2・山梔子2・甘草1・生姜1・木香1。帰脾湯に柴胡、山梔子などの精神安定、抗うつ作用のある薬味を加えたもの。貧血、顔色不良、顔面蒼白、神経症、焦燥感、心悸亢進、不眠症、体力低下、気力低下、食欲低下。腹力中等度以下。
・清暑益気湯(せいしょえっきとう)136:人参3.5・蒼朮3.5・麦門冬3.5・黄耆3・陳皮3・当帰3・黄柏1・甘草1・五味子1。暑気あたり、夏負け、食欲低下、疲労倦怠、下痢が続く。腹力中等度以下。
●参耆剤(じんぎざい)
人参(にんじん)と黄耆(おうぎ)を主薬とする処方群である。補剤として、胃腸機能が低下し、疲労感、倦怠感を訴える慢性疾患に用いる。参耆剤は総合的に生命活動の根源的エネルギーである気が不足した状態に対する治療薬である。心下痞硬を認める場合用いる。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)41:人参4・黄耆4・蒼朮4・当帰3・柴胡2・大棗2・陳皮2・甘草1.5・升麻1・生姜0.5。虚弱で疲れやすく胃腸の働きが衰え、四肢倦怠感著しく食欲不振などの症状が持続的に存在する慢性疾患に用いられる。感冒などの病気後の食欲不振・倦怠感・微熱・気力低下、食欲低下、胃腸虚弱、全身倦怠感、気力低下、夏負け、多汗症、脳卒中後遺症、脱肛、子宮脱、インポテンツ。腹力中等度以下。
・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)48:人参3・黄耆3・蒼朮3・当帰3・茯苓3・桂皮3・地黄3・芍薬3・川芎3・甘草1.5。病後・術後の体力回復や増強、消化機能改善に用いられるが、特に皮膚の枯燥や血虚の兆候、貧血が鑑別のポイントとなる。補中益気湯に貧血の適応が加わっている。術後の食欲低下・気力低下・貧血、食欲低下、気力低下、貧血、顔色不良、疲労倦怠感、寝汗、手足や腰の冷え、皮膚乾燥。腹力中等度以下。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)108:地黄4・当帰4・白朮4・茯苓4・人参3・桂皮2.5・遠志2・芍薬2・陳皮2・黄耆1.5・甘草1・五味子1。食欲低下や気力低下に用いられるが、十全大補湯に呼吸器症状や精神症状の適応をを加えたもの。病後の食欲低下・気力低下、食欲低下、気力低下、貧血、顔色不良、疲労倦怠感、寝汗、手足や腰の冷え、呼吸器疾患、咳が長引く、精神機能低下、認知症、不眠、不安、健忘。腹力中等度以下。
・帰脾湯(きひとう)65:黄耆3・酸棗仁3・人参3・白朮3・茯苓3・竜眼肉3・遠志2・大棗2・当帰2・甘草1・生姜1・木香1。貧血、顔色不良、不眠症、疲れやすい。腹力中等度以下。
・加味帰脾湯(かみきひとう)137:黄耆3・酸棗仁3・人参3・蒼朮3・茯苓3・竜眼肉3・柴胡3・遠志2・大棗2・当帰2・山梔子2・甘草1・生姜1・木香1。帰脾湯に柴胡、山梔子などの精神安定、抗うつ作用のある薬味を加えたもの。貧血、顔色不良、顔面蒼白、神経症、焦燥感、心悸亢進、不眠症、体力低下、気力低下、食欲低下。腹力中等度以下。
・清暑益気湯(せいしょえっきとう)136:人参3.5・蒼朮3.5・麦門冬3.5・黄耆3・陳皮3・当帰3・黄柏1・甘草1・五味子1。暑気あたり、夏負け、食欲低下、疲労倦怠、下痢が続く。腹力中等度以下。
●柴胡剤(さいこざい)
柴胡(さいこ)黄芩(おうごん)の二味を主薬とする処方群。熱性疾患が少陽病期になると、胸部、胸脇部、心下部にかけての、いわゆる半表半裏(はんぴょうはんり)の部分を中心とした疾病がおこる。柴胡剤はこの時期の使用目標となり、往来寒熱(おうらいかんねつ)、胸脇苦満(きょうきょうくまん)を中心に、口苦、白苔、食欲不振、胃腸機能低下、めまいなどの諸症状に用いる。
・小柴胡湯(しょうさいことう)9:柴胡7・半夏5・黄芩3・大棗3・人参3・甘草2・生姜1。口が苦い、風邪が長引く、風邪3~5日目、咳、痰、慢性気管支炎、肺炎、慢性胃腸炎、慢性肝炎、食欲低下、産後回復不全。腹力中程度。インターフェロンと併用禁。
・大柴胡湯(だいさいことう)8:柴胡6・半夏4・黄芩3・大棗3・芍薬3・枳実2・生姜1・大黄1。胃痛、腹部膨満、食道ヘルニア、胃酸過多症、嘔気、嘔吐、食欲不振、胆石、黄疸、肝機能障害、便秘、肥満、高血圧、肩こり、糖尿病、蕁麻疹、癇癪、脳卒中後遺症、神経症、不眠症、いらいらしやすい、憂鬱。腹力中等度以上。上腹部が張る、堅い。
・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)10:柴胡5・半夏4・黄芩2・大棗2・人参2・甘草2・桂皮2・芍薬2・生姜1。小柴胡湯に桂皮と芍薬を加えたもの。小柴胡湯の適応でかつ頭痛、悪寒、胃痛を伴う。風邪2~3日目、食欲低下、倦怠感、胃十二指腸潰瘍、肝機能障害、肺炎、胆石、膵炎。腹力中等度以下。
・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)11:柴胡6・黄芩3・か楼根3・桂皮3・牡蛎3・乾姜2・甘草2。神経症、不眠症、のぼせ、手足の冷え、汗、口渇、疲れやすい、気持ちが高ぶる、動悸、腹力中等度。臍上悸。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)12:柴胡5・半夏4・桂皮3・茯苓3・黄芩2.5・大棗2.5・人参2.5・牡蛎2.5・竜骨2.5・生姜1。高血圧、動脈硬化症、腎臓病、蛋白尿、驚きやすい、気分が沈みがち、不眠症、夢を見やすい、動悸、不安、うつ状態、夜泣き、てんかん、インポテンツ、冷え症、神経質、ヒステリー。腹力中等度以下。臍上悸。
・四逆散(しぎゃくさん)35:柴胡5・芍薬4・枳実2・甘草1.5。小柴胡湯と大柴胡湯の中間証に用いられる。柴胡、芍薬、枳実、甘草を含み、黄芩が含まれていないが、柴胡剤に分類する。膿性痰、くしゃみ、嘔気、胃痛、下痢しやすい、神経質、手足が冷えやすい、ゆううつ、いらいら、ヒステリー、易興奮性、気管支炎、アレルギー性鼻炎、急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍、胃酸過多症、胆石、神経症。腹力中等度前後。
・柴苓湯(さいれいとう)114:柴胡7・半夏5・沢瀉5・黄芩3・蒼朮3・大棗3・人参3・猪苓3・茯苓3・甘草2・桂枝2・生姜1。小柴胡湯の消炎作用と五苓散の利水作用を併せ持っている。水様下痢、嘔吐、口渇、急性胃腸炎(水様性下痢、尿量減少、発熱)、浮腫。腹力中等度前後。
・抑肝散(よくかんさん)54:蒼朮4・茯苓4・川芎3・釣藤鈎3・当帰3・柴胡2・甘草1.5。不眠症、神経症、神経が高ぶりやすい、怒りやすい、易興奮性、いらいらしやすい、夜泣き(怒りっぽい、眠りが浅い、疲れやすい)、小児疳症(いらいらして怒りやすい、落ち着きない)。腹力中等度以下。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)83:半夏5・蒼朮4・茯苓4・川芎3・釣藤鈎3・当帰3・陳皮3・柴胡2・甘草1.5。抑肝散に二陳湯を加え、抑肝散の状態が進行し、衰弱が加わった状態。神経が高ぶる、怒りやすい、せっかち、歯ぎしり、めまい、肩こり、頭痛、不眠症、神経症、夜泣き(抑肝散に悪心・嘔吐など衰弱兆候の加わったもの)、小児疳症(抑肝散に衰弱兆候の加わったもの)。腹力中等度以下。臍上悸。胃内停水。腹部陥没。痩せ型。左腹直筋の上半分の緊張。
・柴陥湯(さいかんとう)73:柴胡5・半夏5・黄芩3・大棗3・人参2・黄連1.5・甘草1.5・生姜1・か楼仁3。小柴胡湯に小陥胸湯を合方した方剤。咳、咳で胸痛、急性気管支炎、慢性気管支炎。腹力中等度以上。
・柴朴湯(さいぼくとう)96:柴胡7・半夏5・茯苓5・黄芩3・厚朴3・大棗3・人参3・甘草2・蘇葉2・生姜1。小柴胡湯と半夏厚朴湯の合剤。抗炎症、鎮咳、倦怠感の改善、精神安定などの効果を有する。感冒の後半、気管支炎(咳嗽、発熱、食欲低下を伴うもの)、湿性の咳が強い、神経質、喘息非発作時、咽喉の刺激感、神経症。
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)6:桔梗3・柴胡3・川芎3・茯苓3・ぼくそう3・独活1.5・防風1.5・甘草1.5・荊芥1・生姜1。蕁麻疹、急性湿疹、麦粒腫、水虫
・小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)109:石膏10・柴胡7・半夏5・黄芩3・桔梗3・大棗3・人参3・甘草2・生姜1。急性扁桃腺炎、反復性扁桃腺炎、咽喉痛
●苓朮剤(りゅうじゅつざい)、利水剤(りすいざい)
苓朮剤は茯苓、猪苓、沢瀉、朮(白朮、蒼朮)などの利水薬を中心に構成される利水剤である。漢方では、体をめぐる水のアンバランスを病気の背景に存在する重要な因子として捉えている。水が体全体をうまく循環できず水が停滞した状態を水滞(水毒)と呼び、浮腫、口渇、鼻汁、痰、頭痛、めまい、動悸、嘔吐、胃部振水音、尿量減少(小便不利)、多尿(小便自利)、下痢、関節痛、全身倦怠などのさまざまな症候と関係する。脾胃の減退は水分の吸収低下を招き、消化管内の余分な水分貯留による嘔吐、胃部振水音、下痢、さらに体内の水分不足による口渇や尿量減少などの典型的な水滞の症状があらわれる。水分の代謝・排泄に深く関わる腎と肺(五臓)の働きが低下することで、血管や組織における水部の停滞や偏在が起き、浮腫、関節痛、尿量異常などの症状を示す。これら水滞の改善に用いられる利水剤は、利尿剤(尿細管からの再吸収を阻害し、体の水分量の多少に関わらず尿量を増やす)と異なり、水分の足りないところには供給し、多すぎるところからは利尿によって排除する特徴をもつ。
・茯苓飲(ぶくりょういん)69:茯苓5・蒼朮4・陳皮3・人参3・枳実1.5・生姜1。吐き気や胸やけ、胃もたれ、げっぷ、食欲不振などの症状があり、胃腸内にたまったガスを容易に排出できない場合に用いる。腹力中等度前後。
・五苓散(ごれいさん)17:茯苓3・沢瀉5・猪苓3・白朮3・桂枝2。尿量減少、浮腫、蛋白尿、口渇、めまい、頭痛、嘔吐、下痢、腹痛、発熱、急性胃腸炎、糖尿病、尿毒症、夏負け、ネフローゼ、二日酔い、腹力中等度前後。胃内停水による振水音。臍上悸。
・猪苓湯(ちょれいとう)40:沢瀉3・猪苓3・茯苓3・阿膠3・滑石3。口渇、浮腫、頻尿、残尿感、排尿痛、排尿障害、血尿、不安感、水様下痢、血便、尿道炎、膀胱炎、前立腺肥大症、腎炎、尿路結石、急性胃腸炎。腹力中等度前後。
・五淋散(ごりんさん)56:茯苓6・黄芩3・甘草3・地黄3・車前子3・沢瀉3・当帰3・木通3・山梔子2・芍薬2・滑石3。強い消炎作用あり。頻尿、残尿感、排尿痛、膀胱炎、尿道炎、尿路結石、前立腺肥大症。
・五積散(ごしゃくさん)63:蒼朮3・陳皮2・当帰2・半夏2・茯苓2・甘草1・桔梗1・枳実1・桂皮1・厚朴1・芍薬1・生姜1・川芎1・大棗1・白芷1・麻黄1。風邪の初期(症状の軽い感冒、頭痛、関節痛)、急性胃腸炎、更年期障害、上半身熱感、下半身冷え、冷え症、のぼせ、関節痛、腰痛、頭痛、下腹痛、神経痛、関節痛、月経痛。腹力中等度以下。
・胃苓湯(いれいとう)115:厚朴2.5・蒼朮2.5・沢瀉2.5・猪苓2.5・陳皮2.5・白朮2.5・茯苓2.5・桂皮2・生姜1.5・大棗1.5・甘草1。平胃散と五苓散を合せて煎剤にした処方。 食べ過ぎ、食あたり、夏負け、下痢、腹痛、口渇、浮腫、ネフローゼ、食欲不振。
・啓脾湯(けいひとう)128:蒼朮4・茯苓4・山薬3・人参3・蓮肉3・山査子2・沢瀉2・陳皮2・甘草1。消化不良、慢性腸炎、胃腸虚弱症、明け方近くの下痢、下痢しやすい、気力低下。腹力中等度以下。
・真武湯(しんぶとう)30:茯苓4・芍薬3・蒼朮3・生姜1.5・附子0.5。少陰病の代表的な処方。全身倦怠感、易疲労感、めまい、動悸、顔色不良、悪寒、高血圧、手足の冷え、むくみ、慢性胃炎、過敏性腸症候群、ネフローゼ症候群、関節リウマチ、脳卒中後遺症(手足の冷え、めまい、顔色不良、自発性にかける)、神経衰弱、老人性皮膚掻痒症(痩せ型、冷え症、皮疹が目立たず赤みに乏しいもの)。腹力中等度以下。
・治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)59:川芎3・蒼朮3・連翹3・忍冬2・防風2・甘草1・荊芥1・紅花1・大黄0.5。乳児湿疹、慢性湿疹、便秘
・小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)21:半夏6・茯苓5・生姜1.5。嘔吐、食物が胃に収まらない、妊娠悪阻
・二朮湯(にじゅつとう)88:半夏4・蒼朮3・威霊仙2.5・黄芩2.5・香附子2.5・陳皮2.5・白朮2.5・茯苓2.5・甘草1・生姜1・天南星2.5・和姜活2.5。五十肩、頸肩腕症候群、肩や腕の痺れ・痛み、腹力中等度前後。胃内停水。筋肉にしまりなくブクブクの水毒性体質。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)83:半夏5・蒼朮4・茯苓4・川芎3・釣藤鈎3・当帰3・陳皮3・柴胡2・甘草1.5。抑肝散に二陳湯を加え、抑肝散の状態が進行し、衰弱が加わった状態。神経が高ぶる、怒りやすい、せっかち、歯ぎしり、めまい、肩こり、頭痛、不眠症、神経症、夜泣き(抑肝散に悪心・嘔吐など衰弱兆候の加わったもの)、小児疳症(抑肝散に衰弱兆候の加わったもの)。腹力中等度以下。臍上悸。胃内停水。腹部陥没。痩せ型。左腹直筋の上半分の緊張。
・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)39:茯苓6・桂枝4・甘草1・生姜3。息切れ、めまい、立ちくらみ、動悸、神経質、神経症、疲れ目、涙目。反復する頭痛。胃部振水音。脈沈緊。汗無し。臍上悸。腹力中等度以下。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)20:黄耆5・防已5・蒼朮3・大棗3・甘草1.5・生姜1。腎炎、浮腫、尿量減少、多汗症、易疲労感、肥満、筋炎、関節炎、変形性膝関節症、ネフローゼ、月経不順(肥満、多汗症、関節水腫)、慢性皮膚病(肥満、皮膚掻痒症、毛包炎)、陰嚢水腫。腹力中等度以下。
●駆瘀血剤(くおけつざい)
血の流れの停滞によって生じる病態を瘀血(おけつ)という。血液や血流の障害および婦人科系の代謝不全によって起こる。症状としては、皮膚に艶がなくどす黒い、冷えのぼせ、紫斑や内出血によるあざができやすい、静脈瘤、頭痛、肩こり、痔、月経不順、腰痛、筋肉痛、下腹部圧痛、不眠症、イライラ、精神不穏、冷え、のぼせなど。瘀血を改善する方剤を駆瘀血剤(くおけつざい)という。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)25:桂皮3・芍薬3・桃仁3・茯苓3・牡丹皮3。虚実中間証から実証まで幅広く適応となる最も頻用される駆瘀血剤。頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、冷え、腹痛、子宮内膜症、骨盤腹膜炎、月経不順、月経痛、更年期障害、痔、打撲症。腹力中等度前後。
・桂枝茯苓丸加よく苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)125:よく苡仁10・桂皮4・芍薬4・桃仁4・茯苓4・牡丹皮4。腹痛、肩こり、めまい、のぼせ、月経不順、にきび、肝斑、手足の荒れ。腹力中等度以上。
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)61:桃仁5・桂皮4・大黄3・甘草1.5・芒硝0.9。実証の病態に適応となる駆瘀血剤。桂枝茯苓丸よりも瘀血症状と気の上衝が激しく、便秘しているものに用いる。便秘、のぼせ、逆上感、不眠、不安、いらいら、興奮、腰痛、月経時の神経不安、月経不順、月経痛。左下腹部圧痛。腹力中等度以上。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)23:芍薬4・蒼朮4・沢瀉4・茯苓4・川芎3・当帰3。動悸、浮腫、易疲労感、全身倦怠感、頭痛、めまい、立ちくらみ、手足の冷え、顔色不良、貧血、慢性腎炎、月経不順、月経痛、更年期障害、不妊症、習慣性流産、妊娠中の腹痛・浮腫・痔、脳卒中後遺症(手足の冷え、頭痛、めまい)。臍上悸。臍傍圧痛。痩せ型。腹力中等度以下。
・加味逍遥散(かみしょうようさん)24:柴胡3・芍薬3・蒼朮3・当帰3・茯苓3・山梔子2・牡丹皮2・甘草1.5・生姜1・薄荷1。虚弱体質、精神不安定、肩こり、のぼせ、手足の冷え、不眠症、月経不順、月経痛、更年期障害。腹力中等度以下。
・通導散(つうどうさん)105:枳実3・大黄3・当帰3・甘草2・紅花2・厚朴2・蘇木2・陳皮2・木通2・芒硝1.8。めまい、頭痛、肩こり、高血圧、便秘、腰痛、いらいら、打撲症、月経不順、月経痛、更年期障害、腹力中等度以上。
●補血剤
補血剤は血虚を改善する補血薬を主構成生薬とする処方群である。血は漢方医学では血管内の赤色の体液とその機能を意味し、全身に栄養を供給しかつ滋潤する働きがある。この血の働きが衰退した病態が血虚で、血の生成低下や過剰消耗によって起き、顔色が青白い、めまい感、眼精疲労、皮膚の乾燥や荒れ、爪の異常、冷え症、月経不順、脱毛、集中力低下などが主な症状である。気と血は互いに依存的な関係にあり、気のエネルギーにより血は循環され、気のエネルギーは血の栄養によりもたらされる。したがって、血虚は気虚に起因するあるいは気虚を引き起こすことが多く、このような病態では冷えをともなう、一方、気虚をともなわない血虚の場合、気の量が相対的に過剰になることから体や四肢がほてるなどの虚熱の症候を生じる。
・七物降下湯(しちもつこうかとう)46:芍薬4・当帰4・黄耆3・地黄3・川芎3・釣藤鈎3・黄柏2。四物湯に血管拡張作用を加えたもの。高血圧。痩せ型。貧血。
・きゅう帰膠がい湯(きゅうききょうがいとう)77:地黄5・芍薬4・当帰4・甘草3・川芎3・阿膠3・艾葉3。痔出血。腹力中等度以下。
・疎経活血湯(そけいかっけつとう)53:芍薬2.5・地黄2・川芎2・蒼朮2・当帰2・桃仁2・茯苓2・威霊仙1.5・姜活1.5・牛膝1.5・陳皮1.5・防已1.5・防風1.5・竜胆1.5・甘草1・白芷1・生姜0.5。神経痛、腰痛、関節痛、筋肉痛、しびれ、貧血、皮膚乾燥、腹力中等度前後。
・当帰飲子(とうきいんし)86:当帰5・地黄4・しつりし3・芍薬3・川芎3・防風3・何首烏2・黄耆1.5・荊芥1.5・甘草1。慢性湿疹、皮膚乾燥、貧血、赤みに乏しい皮膚掻痒症、冷え。腹力中等度以下。
・温清飲(うんせいいん)57:地黄3・芍薬3・川芎3・当帰3・黄芩1.5・黄柏1.5・黄連1.5・山梔子1.5。のぼせ、冷え、頭痛、腹痛、貧血、顔色不良、皮膚乾燥、憂鬱、神経症、月経不順、月経痛、更年期障害。腹力中等度前後。
・温経湯(うんけいとう)106:麦門冬4・半夏4・当帰3・甘草2・桂皮2・芍薬2・川芎2・人参2・牡丹皮2・呉茱萸1・生姜1・阿膠2。手足のほてり、のぼせ、冷え、頭痛、口渇、慢性湿疹、しもやけ、神経症、不眠症、月経不順、更年期障害、腹力中等度前後。
・四物湯(しもつとう)71:地黄3・芍薬3・川芎3・当帰3。顔色不良、易疲労、貧血、肌荒れ、手足の冷え、皮膚乾燥、しもやけ、肝斑、月経不順、産後の回復不全。腹力中等度以下。
・大防風湯(だいぼうふうとう)97:黄耆3・地黄3・芍薬3・蒼朮3・当帰3・杜仲3・防風3・川芎2・甘草1.5・姜活1.5・牛膝1.5・大棗1.5・人参1.5・乾姜1・附子1。痛風、冷え、胃腸虚弱、関節炎、関節拘縮、関節リウマチ。腹力中等度以下。
・女神散(にょしんさん)67:香附子3・川芎3・蒼朮3・当帰3・黄芩2・桂皮2・人参2・檳榔子2・黄連1・甘草1・丁子1・木香1。のぼせ、めまい、産前産後の神経症、月経不順。腹力中等度以上。
●ごん連剤
少陽病に用いられる代表的な処方群には柴胡剤とごん連剤があり、柴胡剤が肝の熱によるストレス症状や胸脇苦満などの病態を目標にするのに対し、ごん連剤は心の熱による気逆の病態に適応する。黄ごんと黄連を主構成生薬とするごん連剤は、ほてり、のぼせのある赤ら顔、上半身の炎症、心下痞(みぞおちのつかえ)、心下痞硬(みぞおちのつかえと圧痛)、心悸亢進ぎみで興奮やイライラする傾向のあるものを目標とする。ごん連剤の適応する熱症状の判断基準として冷たい飲食物を好む傾向がある。熱をさます作用が強いことから、寒がりや冷え症には用いない。熱証は実熱と虚熱に大別でき、一般的な熱証の症状として熱感、のぼせ、顔面紅潮、目の充血、発熱、炎症、イライラ、怒りっぽい、不眠、便秘、尿量減少などがある。実熱は現代医学の炎症に相当し清熱により治すが、実熱に陰虚または血虚をともなう病態は、清熱と滋陰または補血を組合せて治療する。ごん連剤に配剤される清熱薬には、黄連、黄ごん、黄柏、山梔子、連ぎょう、牛ぼう子などがある。
・三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)113:黄芩3・黄連3・大黄3。大黄を加えている。消炎瀉下薬と考えられ、上半身の充血を鎮める意味を持ち、高血圧の諸症状で便秘のある人に用いる。実証に用いる。腹力中等度前後かそれ以上。高血圧、赤ら顔、ほてり顔、耳鳴り、不眠、便秘、痔出血、鼻出血、喀血、吐血、更年期障害、気分の不安定さ、いらいらしやすい。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)15:黄芩3・黄連2・山梔子2・黄柏1.5。高血圧の諸症状で便秘のない場合に用いる。腹力中等度前後、手足はあまり冷えない。高血圧、赤ら顔、ほてり顔、めまい、心悸亢進、急性胃炎、胃痛、胃もたれ、喀血、吐血、下血、皮膚掻痒症、皮膚熱感・発赤、脳卒中後遺症、感情失禁、易興奮性、焦燥感、気分の不安定さ、高ぶりやすい、いらいらしやすい。
・三物黄ごん湯(さんもつおうごんとう)121:地黄6・黄芩3・苦参3。手足のほてり。
・柴胡清肝湯(さいこせいはいとう)80:柴胡2・黄芩1.5・黄柏1.5・黄連1.5・か楼根1.5・甘草1.5・桔梗1.5・牛蒡子1.5・山梔子1.5・地黄1.5・芍薬1.5・川芎1.5・当帰1.5・薄荷1.5・連翹1.5。慢性湿疹、慢性扁桃炎、神経症。痩せ型。皮膚浅黒い。腹力中等度前後。
・黄連湯(おうれんとう)120:半夏6・黄連3・乾姜3・甘草3・桂皮3・大棗3・人参3。口内炎、急性胃炎、二日酔い、腹痛、嘔吐、舌痛症。腹力中等度前後。
・清上防風湯(せいじょうぼうほうとう)58:黄芩2.5・桔梗2.5・山梔子2.5・川芎2.5・浜防風2.5・白芷2.5・連翹2.5・黄連1・甘草1・枳実1・荊芥1・薄荷1。にきび
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)50:黄芩1.5・桔梗1.5・山梔子1.5・川芎1.5・白芷1.5・連翹1.5・黄連1.5・枳実1.5・荊芥1.5・柴胡1.5・地黄1.5・芍薬1.5・当帰1.5・薄荷1.5・防風1.5・甘草1.0。にきび、慢性鼻炎、蓄膿症、慢性扁桃炎。皮膚浅黒い。腹力中等度前後。
●附子剤(ぶしざい)
附子(ぶし)を主薬とする処方群。附子はキンポウゲ科、トリカブトの塊茎で生薬の中で最も毒性の強い薬物ではあるが、経験的に新陳代謝亢進作用、鎮痛作用、強心作用などの薬効がわかっている重要な生薬であり、陰病で寒の症状が甚だしい状態に用いる温熱薬として位置づけられている。従って附子剤を用いる目標は体力の低下、四肢の冷え、などエネルギーの不足の状態である。もし陽病で熱の症状が甚だしい状態に用いると、附子の中毒症状(動悸、悪心、嘔吐)が現れる可能性が高くなる。
・真武湯(しんぶとう)30:茯苓4・芍薬3・蒼朮3・生姜1.5・附子0.5。少陰病の代表的な処方。全身倦怠感、易疲労感、めまい、動悸、顔色不良、悪寒、高血圧、手足の冷え、むくみ、慢性胃炎、過敏性腸症候群、ネフローゼ症候群、関節リウマチ、脳卒中後遺症(手足の冷え、めまい、顔色不良、自発性にかける)、神経衰弱、老人性皮膚掻痒症(痩せ型、冷え症、皮疹が目立たず赤みに乏しいもの)。腹力中等度以下。
・麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)127:麻黄4・細辛3・附子1。悪寒や寒気が強いなど冷えの強く咽頭痛を伴う感冒、気管支炎、咽頭痛、アレルギー性鼻炎。高齢者、年長児。
・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)18:桂皮4・芍薬4・蒼朮4・大棗4・甘草2・生姜1・附子0.5。朮(じゅつ)と附子(ぶし)を加味している。麻黄剤では強すぎて飲めない虚証の神経痛、関節痛、関節リウマチなどに適応する。冷え症、関節痛、神経痛。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)7:地黄6・山茱萸3・山薬3・沢瀉3・茯苓3・牡丹皮2.5・桂皮1・附子0.5。腰部や下肢の倦怠・しびれ、手足の冷え、口渇、疲労倦怠感、めまい、高血圧、尿量減少、頻尿、排尿痛、腰痛、坐骨神経痛、脱力感、膀胱炎、腎炎、前立腺肥大症、インポテンツ、糖尿病、白内障。小腹不仁。腹力中等度以下。
●竜骨牡蠣剤
安神とは精神不安、不眠、動悸、焦燥感などを治療する方法で、安神薬として鉱物や貝殻などの生薬を用いる重鎮安神薬と、植物由来の生薬を用いる養心安神薬がある。竜骨牡蠣剤は重鎮安神薬である竜骨と牡蠣を主構成生薬とする処方群で、動悸、不眠、イライラなどの精神神経症状を緩解する目的で処方される。牡蠣と竜骨は重鎮安神薬としての効能は類似するが、竜骨の方が作用は強く、臍下部の動悸に有効である。一方、牡蠣は脇腹の動悸に効果があり、両者はしばしば併用される。
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)26:桂皮4・芍薬4・大棗4・牡蛎3・竜骨3・甘草2・生姜1.5。小児夜尿症、神経質、神経症、寒がり、冷え症、易疲労感、動悸、インポテンツ。臍上悸。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)12:柴胡5・半夏4・桂皮3・茯苓3・黄芩2.5・大棗2.5・人参2.5・牡蛎2.5・竜骨2.5・生姜1。高血圧、動脈硬化症、腎臓病、蛋白尿、驚きやすい、気分が沈みがち、不眠症、夢を見やすい、動悸、不安、うつ状態、夜泣き、てんかん、インポテンツ、冷え症、神経質、ヒステリー。腹力中等度以下。臍上悸。
●理気剤
生体内をめぐるエネルギーである気の流れがストレスなどによって部分的に阻害された気鬱(気滞)は、抑うつ傾向、頭重、頭冒感、咽喉のつかえ感、曖気(げっぷ)、心下部のつかえ感、腹部膨満感、腹痛、四肢のしびれや痛み、朝起きにくいなどのさまざまな症候を示す。愁訴の多くは執拗で、時間的に消長したり、愁訴部位が変動するなどの不定愁訴として認められることが多い。このような気鬱を治療する処方群が理気剤で、理気薬を主構成生薬とする。
・平胃散(へいいさん)79:蒼朮4・厚朴3・陳皮3・大棗2・甘草1・生姜0.5。消化不良、胃もたれ、腹満、急性胃炎、慢性胃炎、食欲低下。腹力中等度前後。
・香蘇散(こうそさん)70:香附子4・蘇葉2・陳皮2・甘草1.5・生姜1。高齢者や胃腸虚弱症の初期の感冒。胃腸虚弱児の感冒。
・参蘇飲(じんそいん)66:半夏3・茯苓3・葛根2・桔梗2・前胡2・陳皮2・大棗1.5・人参1.5・甘草1・枳実1・蘇葉1・生姜0.5。高齢者や胃腸虚弱症のこじれた感冒、長引いた咳。胃腸虚弱児のこじれた感冒。腹力中等度以下。
●地黄丸類
地黄丸類は六味丸の六種の生薬を基本とする処方群で、一般に高齢者によくみられる腎陰虚に適応する。腎虚とは骨格、知能、運動能力などの先天的な成長発育不足や知能、性機能、運動機能、内分泌機能、代謝機能など加齢にともなう機能低下である。小児では骨格、知能、運動能力などの遅れ、成人では足腰、聴力、視力、知能、性機能などの低下、排尿障害、歯や毛髪の脱落、白髪、月経の遅れ、無月経などである。腎陰はすべての陰液の源で、下痢、発汗、出血、慢性病、ストレス、老化、性の不摂生などによって腎陰が不足すると腎虚の症状に加え、陰液不足による陽気の相対性亢進である虚熱、乾燥、機能の仮亢進による病態を生じる。熱感、手掌や足裏のほてり、のぼせ、イライラ、不眠、寝汗、性機能の仮亢進などである。腎陽はすべての陽気の源で、老化、性の不摂生、慢性病あるいは先天的に腎陽が不足すると、腎虚の症状に加え、陽気不足による陰液の相対的過剰による寒証、水滞、機能の低下による病態を生じる。気力や体力の低下、寒気、四肢冷感、頻尿、多尿、排尿障害、夜間尿、浮腫などである。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)7:地黄6・山茱萸3・山薬3・沢瀉3・茯苓3・牡丹皮2.5・桂皮1・附子0.5。腰部や下肢の倦怠・しびれ、手足の冷え、口渇、疲労倦怠感、めまい、高血圧、尿量減少、頻尿、排尿痛、腰痛、坐骨神経痛、脱力感、膀胱炎、腎炎、前立腺肥大症、インポテンツ、糖尿病、白内障。小腹不仁。腹力中等度以下。
・六味丸(ろくみがん)87:地黄5・山茱萸3・山薬3・沢瀉3・茯苓3・牡丹皮3。手足のほてり、口渇、易疲労感、浮腫、排尿困難、頻尿、皮膚乾燥・掻痒症・蕁麻疹。
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)107:地黄5・牛膝3・山茱萸3・山薬3・車前子3・沢瀉3・茯苓3・牡丹皮3・桂皮1・附子1。八味地黄丸の強化版。下半身のしびれ、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、脊椎管狭窄症、浮腫、下肢脱力、倦怠、冷感、糖尿病性末梢神経障害、腰痛、手足の冷え、排尿困難、下肢の神経痛、膝関節痛、皮膚掻痒症、蕁麻疹、皮膚乾燥、頻尿、かすみ目、白内障。
●麻黄剤(まおうざい)
麻黄(まおう)を主薬とする処方群。麻黄の薬効は発汗、解熱、止咳、利尿、鎮痛などであるが、組み合わせる生薬により引き出される薬能は変わってくる。桂皮(けいひ)との配合では発汗、杏仁(きょうにん)や石膏(せっこう)では鎮咳、朮(じゅつ)や薏苡仁(よくいにん)では利湿止痛が強調される。
・麻黄湯(まおうとう)27:麻黄5・杏仁5・桂枝4・甘草1.5。傷寒に用いる処方であり、発汗を促し、節々の痛みの緩和、解熱、鎮咳に用いる。関節痛・悪寒が強い感冒、インフルエンザ、喘息発作(感冒きっかけの喘息発作)、関節リウマチの初期(発熱、関節痛)、下痢・腹痛などの消化器症状や発熱を伴う感冒、乳児の鼻閉・哺乳困難。身体ががっちりして胃腸の弱くない人。脈の緊張も良好。
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)55:麻黄4・杏仁4・甘草2・石膏10。喘息発作。胃腸のしっかりした、水分をよくとり暑がりの傾向のある人。
・麻杏薏甘湯(まきょうよっかんとう)78:麻黄4・杏仁3・甘草2・よく苡仁10。関節リウマチ、神経痛、炎症性疼痛を伴う関節痛。腹力中等度以上。
・葛根湯(かっこんとう)1:葛根4・大棗3・麻黄3・甘草2・桂皮2・芍薬2・生姜2。体力の充実した人の風邪の初期で、汗をかかず、首・肩の緊張による諸症状に用いる。悪寒・発熱・頭痛を伴う感冒、発汗が充分でない、首の後ろがこわばる、下痢がある、頭頸部や顎下部のリンパ節炎初期、肩こり、急性蕁麻疹、乳腺炎、中耳炎、鼻汁、扁桃炎、結膜炎。腹力中等度以上。
・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)19:麻黄3・半夏6・芍薬3・甘草3・桂枝3・乾姜3・細辛3・五味子3。風邪の初期でくしゃみ、鼻水などとともに花粉症や鼻アレルギーなどに用いる。元々水滞の体質の感冒や喘息発作に用いる。咳嗽、水様の喀痰、水様の鼻汁、悪寒などがある感冒の初期、水様痰のある気管支炎、喘息発作時・非発作時(痩せ型、寒がり、顔色不良、水様痰・鼻汁)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎。顔色は青白く、日頃冷えを覚えやすい人。腹力中等度以下。
・麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)127:麻黄4・細辛3・附子1。小青竜湯の一部に附子悪寒や寒気が強いなど冷えの強い感冒や、気管支炎に用いる。冷え、咽頭痛を伴う感冒、アレルギー性鼻炎、悪寒や冷えを伴う気管支炎、
・越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)28:麻黄6・白朮4・甘草2・生姜3・大棗3・石膏8。急性腎炎、尿量減少、ネフローゼ、浮腫、口渇、関節リウマチ、小児夜尿症(口渇、水分多飲、尿意で覚醒しにくい)、急性湿疹。腹力中等度以上。
・葛根湯加川弓辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)2:葛根4・大棗3・麻黄3・甘草2・桂皮2・芍薬2・辛夷2・川芎2・生姜1。慢性鼻炎、鼻汁、鼻閉、副鼻腔炎、頭痛、肩こり。腹力中等度以上。
●桂枝湯類(けいしとうるい)、桂麻剤(けいまざい)
桂皮が主薬である桂枝湯(けいしとう)(桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草)を基本骨格にすえる処方群である。桂枝湯に麻黄を加えたものが多く、桂麻剤とも言われる。病態に応じて桂枝湯に他の生薬を加減することでその治療に幅を持たせている。基本骨格である桂枝湯は、「傷寒論」の最初に出てくる太陽病虚証に用いる重要な処方である。その適応は、悪寒、悪風、頭痛、発熱があり汗が出ている状態に用いると記載されており、病初期からの薬剤であることを示している。体力的に虚弱で消化機能が弱く、頻繁に風邪を引く傾向の人に適している。
・桂枝湯(けいしとう)45:桂枝4・芍薬4・甘草2・生姜4・大棗4。軽い感冒の初期、感冒が長引いて悪化はせずに続く場合
・桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)60:桂枝4・芍薬6・甘草2・生姜4・大棗4。芍薬(しゃくやく)を増量している。虚弱な人の腹痛(冷えを伴う)、下痢、便秘、しぶり腹などに用いる。
・小建中湯(しょうけんちゅうとう)99:桂枝4・芍薬6・甘草2・生姜4・大棗4・膠飴20。膠飴(こうい)を加えている。腹部の緊張を緩め、胃腸の機能を調える働きが出るために虚弱体質の改善や疲労回復に用いられる。慢性胃腸炎、腹痛、動悸、手足のほてり、頻尿、疲労倦怠、小児虚弱体質、小児夜尿症、夜泣き(寒がり、食欲低下、顔色不良)、神経質、疲れやすい。腹直筋の拘攣。
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)26:桂枝4・芍薬4・甘草2・生姜4・大棗4・竜骨3・牡蛎3。小児夜尿症、神経質、神経症、寒がり、冷え症、易疲労感、動悸、インポテンツ。臍上悸。
・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)18:桂皮4・芍薬4・蒼朮4・大棗4・甘草2・生姜1・附子0.5。朮(じゅつ)と附子(ぶし)を加味している。麻黄剤では強すぎて飲めない虚証の神経痛、関節痛、関節リウマチなどに適応する。冷え症、関節痛、神経痛。
・桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)134:桂枝4・芍薬6・甘草2・生姜4・大棗4・大黄1。急性腸炎、強い腹痛、腹満、しぶり腹、腹満して時に痛む便秘。
・黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)98:桂枝4・芍薬6・甘草2・生姜4・大棗4・膠飴20・黄蓍4。食欲低下、体力低下、虚弱体質、病後の体力低下、寝汗。腹力軟弱。腹直筋の拘攣。腹力中等度以下。
・当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)123:芍薬5・桂皮4・大棗4・当帰4・甘草2・生姜1。下腹部痛、顔色不良、易疲労、冷え、四肢のほてり、痔、脱肛、月経痛。腹直筋緊張。腹力中等度以下。
・桂枝人参湯(けいしにんじんとう)82:桂枝4・甘草3・白朮3・人参3・乾姜2。胃腸虚弱、下痢しやすい、腹部の冷え、頭痛、のぼせ、動悸。腹力中等度以下。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)25:桂皮3・芍薬3・桃仁3・茯苓3・牡丹皮3。虚実中間証から実証まで幅広く適応となる最も頻用される駆瘀血剤。頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、冷え、腹痛、子宮内膜症、骨盤腹膜炎、月経不順、月経痛、更年期障害、痔、打撲症。腹力中等度前後。
・桂枝茯苓丸加よく苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)125:よく苡仁10・桂皮4・芍薬4・桃仁4・茯苓4・牡丹皮4。腹痛、肩こり、めまい、のぼせ、月経不順、にきび、肝斑、手足の荒れ。腹力中等度以上。
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)38:大棗5・桂皮3・芍薬3・当帰3・木通3・甘草2・呉茱萸2・細辛2・生姜1。下腹部痛、手足の冷え、頭痛、腰痛、しもやけ、閉塞性動脈硬化症、脊椎管狭窄症、下肢しびれ。腹力中等度以下。
●石膏剤
病位が表であれば桂麻剤の発表によって解熱させるが、まだ病邪が胃腸に及んでいない裏熱の場合は寒性薬の清熱により対応する。清熱薬は主に少陽病や陽明病の熱証に用いられ、前者には柴胡剤やごん連剤が、後者には石膏剤が適応する。石膏剤は石膏を主構成生薬とする処方群で、石膏によって肺の熱をさまし、津液を生じ(生津)口渇を止め、熱証の人の興奮や炎症を鎮める効果をもつ。すなわち、石膏剤は高熱、発汗、口渇、多飲などの悪寒がない発熱性疾患及び皮膚の炎症やほてりなど体表に近い病位に熱が留まった病態を緩解する。石膏は寒性が強く処方全体が熱証や実熱向きであるため、石膏剤は寒気のあるものや顔色の蒼白い寒証あるいは虚熱の人には不適である。
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)34:石膏15・知母5・甘草2・人参1.5・粳米8。口渇、手足のほてり。
・釣藤散(ちょうとうさん)47:石膏5・釣藤鈎3・陳皮3・麦門冬3・半夏3・茯苓3・菊花2・人参2・防風2・甘草1・生姜1。高血圧、めまい、頭痛、いらいら、肩こり。腹力中等度以下。
・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)104:石膏5・麦門冬5・黄芩3・山梔子3・知母3・白合3・辛夷2・枇杷葉2・升麻1。膿性鼻汁、鼻閉、慢性鼻炎、蓄膿症、鼻詰まり。腹力中等度以上。
・消風散(しょうふうさん)22:石膏3・地黄3・当帰3・牛蒡子2・蒼朮2・防風2・木通2・知母1.5・甘草1・苦参1・荊芥1・胡麻1.5・蝉退1。湿疹、蕁麻疹、汗疹、慢性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性湿疹、貨幣状湿疹、慢性湿疹、水虫、皮膚掻痒症。
・木防已湯(もくぼういとう)36:石膏10・防已4・桂皮3・人参3。心不全、肺水腫、下肢浮腫、尿量減少、息切れ、動悸。心下痞硬。腹力中等度以上。
●大黄剤(承気湯類)
大黄剤は大黄を主構成生薬とする処方群で、大黄の清熱(消炎、解熱、鎮静)により胃腸の内熱(胃腸の炎症)を除くとともに、強い瀉下作用により腸内の老廃物を排泄し、消化管の働きを正常化させる働きがある。大黄剤は基本的に胃熱証の適応であり、便が硬く、食欲や体力のある人の便秘に適応する。したがって、虚証や腹力の低下した便秘に用いると、腹痛や下痢を引き起こすので注意を要する。一般に大黄剤は頓服として用い、便通が改善したら連用を避ける方がよい。
・乙字湯(おつじとう)3:当帰6・柴胡5・黄芩3・甘草2・升麻1・大黄0.5。痔。腹力中等度以上。
・通導散(つうどうさん)105:枳実3・大黄3・当帰3・甘草2・紅花2・厚朴2・蘇木2・陳皮2・木通2・芒硝1.8。めまい、頭痛、肩こり、高血圧、便秘、腰痛、いらいら、打撲症、月経不順、月経痛、更年期障害、腹力中等度以上。
・潤腸湯(じゅんちょうとう)51:地黄6・当帰3・黄芩2・枳実2・杏仁2・厚朴2・大黄2・桃仁2・麻子仁2・甘草1.5。高齢者向きの緩和な下剤。便秘症、皮膚乾燥、手足のほてり、兎糞状の便。腹力中等度以下。
・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)84:大黄4・甘草2。便秘症。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)62:黄芩2・甘草2・桔梗2・石膏2・白朮2・大黄1.5・荊芥1.2・山梔子1.2・芍薬1.2・川芎1.2・当帰1.2・薄荷1.2・防風1.2・麻黄1.2・連翹1.2・生姜0.3・滑石3・芒硝0.7。高血圧、動悸、肩こり、のぼせ、便秘症、軽度浮腫、肥満症。緩下作用は中等度。腹力中等度以上。
・麻子仁丸(ましにんがん)126:麻子仁5・大黄4・枳実2・杏仁2・厚朴2・芍薬2。高齢者で硬便になりやすい便秘。緩下作用は潤腸湯より強い。腹力中等度以下。
・治打撲一方(ちだぼくいっぽう)89:桂皮3・川芎3・川骨3・ぼくそう3・甘草1.5・大黄1・丁子1。打撲症、打撲後遺症。腹力中等度以上。
●甘草湯類
・桔梗湯(ききょうとう)138:桔梗2・甘草3。咽頭痛、扁桃炎。
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)68:芍薬6・甘草6。筋肉のひきつれ、こむらがえり。頓服とする。
・甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)72:甘草5・小麦20・大棗6。夜泣き(寝ぼけることが多い小児)、ひきつけ、易興奮性。
漢方薬~分類別

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